ゆづスケート 編

 続いては、いよいよ羽生にまつわるスケートについて!

Q.ジャンプの種類はどう見分ければいい?

“アクセル”は唯一、前向きで跳んで後ろ向きで下りるジャンプなので、いちばん区別しやすいです。ほかのジャンプは、エッジの向きなどの細かい違いで見分けるので、わかりにくいかもしれません」(渡部さん)

 上位選手のほとんどが4回転ジャンプを跳ぶ時代。羽生選手がチャレンジしている4回転アクセルも、自分の目で見分けたいところ。

Q.実際どのジャンプがいちばん難しいの? 4回転アクセルの難易度はどれくらい?

「選手の得意・不得意にもよりますが、一般的には、回転が多くなればなるほど難しくなります」(渡部さん)

 つまり、いちばん難しいのは、羽生がチャレンジしている“4回転アクセル”ということ!

Q.リンク以外ではどんな練習をするの?

 4歳から羽生を指導し、今も北海道でフィギュアスケートのコーチをしている山田真実さんによると、

体幹のトレーニングや、体力をつけるために縄跳びと走り込みも行います。さらに、振り付けを美しく見せるために、ダンスやバレエを習って踊りを習得する選手もいますよ」(山田コーチ)

 氷上以外にも多くのトレーニングが必要なのだ。

羽生選手はこれまで、ダンスの基礎を習ってこなかったのですが、最近は、より演技の芸術性を高めるためにダンス動画を見て自主的に練習しているようです」(スケート連盟関係者)

Q.羽生選手は4回転アクセルの練習を“死にに行くよう”と表現していたけれど、実際に大ケガや死亡事故が起こったことはあるの?

「死亡事故はないと思います。ただ、練習中ですが羽生選手は足首に大ケガをしましたし、アイスダンスのリフトの際にアクシデントで落ちてしまうこともあります。氷上は硬く、コンクリートの上に落ちるようなもの。

 転び方が悪かったら脳振とうなどにもなることもありえます。また、シューズにはエッジがありますので、それを触ってしまったら皮膚を切ることもあります」(折山さん)

Q.冬は大会で姿を見るけれど、夏は何をしているの?

「夏でも8月ごろから演技会やトライアウトがあります。実は、夏がいちばん練習をする期間で、週に1度休めるかどうか……。フィギュアの選手には、シーズンオフというものがほとんどないんです」(渡部さん)

 実際、羽生は'21年の夏もずっと練習に励んでいた。

「4回転半を成功させるべく取り組んでいて、7月ごろにはジャンプの高さを出せるようになってきていたといいます」(前出・スポーツ紙記者)

Q.羽生選手はプーさんのティッシュを持ち込んでいるけれど、リンクサイドには何を持っていってもいいの?

「ティッシュやドリンク、タオル、お守りなど、最低限のものだけだと思います。禁止されているものなどの細かいルールはありません」(渡部さん)

 では、なぜ羽生はプーさんのティッシュを選んだのか。

験担ぎです。複数の選手が同時に練習するときに、自分のティッシュがどれなのかわかるよう、目印としてカバーをつけるのが、羽生くんの世代では流行していました。そのとき、初めは特に深い意味はなくプーさんにしたようですが、それで勝ち続けてきたので、験担ぎとして使い続けています。

 ちなみに、演技後にファンから投げ込まれるたくさんのプーさんの人形たちは、慈善団体や通っていた幼稚園に寄付をしていますよ。寄付された先で、ファンからのラブレターがついていることもあるそうです(笑)」(前出・スポーツ紙記者)