約1年前にあった不可解な出来事
菜美さんと長男、長女、両親が現在の一軒家に引っ越してきていたのは3、4年前。
「一家5人揃って、挨拶回りにきてくれた。その時は容疑者ともう離婚しとったんでしょうね。ご両親も菜美さんも勤め人じゃけん、深い近所付き合いはしてないけど、町内会の集まりにはお父さんが必ず来ていた。きちんとした家族よ」(別の近所の住人)
一方、容疑者は菜美さんの自宅から50キロメートルほど離れた東広島市の新興住宅地にある戸建てに住んでいた。そこは約6年前、容疑者と菜美さんが結婚して間もない頃に購入した新居。
「3、4年前に奥さんが子どもを連れて出ていったのは覚えています」(近所の住人)
以降、容疑者は独り暮らしになったのだが、
「近所をぷらぷら徘徊していた。仕事をしている様子はなく、危ない薬でもやっているかのように挙動不審で怪しかった。ときどき容疑者の親族らしき人が家を訪ねてきていたが、本人はだいたい不在。すると、その人は心配して警察を呼んで容疑者を一緒に捜すなんてことも何度かあったようです。近所の人は厄介そうだから、みんな近づかないようにしていた」(同・近所の住人)
昨年3月13日、そんな危ない元夫と菜美さんはなぜか会っていた。しかも、なんとも不可解なことが起きていて……。地元のタクシー運転手はこう話す。
「容疑者のお宅から“熊谷ですけど”という女性の声でタクシーの呼び出しがあった。それで、女性を東広島駅まで乗せたが、支払いになって“今は持ち合わせがないから、あとでうちまでお金を取りにきてください”と」
熊谷と名乗った女性が菜美さんである可能性は非常に高い。
「その後、お宅を何度訪ねても留守で、いまだに料金4700円はお支払いいただいておりません」
事件が起きるちょうど3日前、容疑者はSNSのプロフィール写真を変更。その顔写真には薄っすらと笑みが浮かんでいた。二人の間に一体何があったのか。不憫でならないのは、残された2人の子どもたちだ。犯行動機の解明が待たれる。