オリンピックに触発されてスポーツを始める人は多い。昨年の東京オリンピックのメダルラッシュで沸いた卓球、柔道。また開会式にも登場した大坂なおみの影響でテニスを始める人も増えたという。観月ありさが影響を受けたのは、競歩だ。
子役モデルとして活躍し、長じてからは身長170cmの“奇跡の8頭身”と称賛され、40代半ばになった現在も、そのプロポーションを維持している観月。時間の流れのままに身を任せていたら、こうはいかない。この体形維持は、陰の努力のたまものだ。
観月自身も、「年齢とともにやっぱり体形は変わるので運動はすごくしている」と語っている。
週に3回くらいはジムに通い、加圧しながらピラティス、毎日5キロのランニングが定番メニュー。女優としてのプロ根性がうかがわれる。
しかし今は、ランニングを1時間のウォーキングに変え、そして、競歩にハマっているそうだ。
身体への負担が少ない競歩
「朝から私も競歩やってみました! 山西利和さんの20km競歩! 金メダルを取る瞬間をライブで見て感動しました!!」と、競歩の画像をインスタグラムにあげている。
お尻を振りながら歩くイメージの競歩だが、ジョギングやウォーキングとどこが違うのか、シドニー五輪の競歩選手で、競歩・ウォーキング指導者の柳澤哲さんに教えてもらった。(柳澤さんの「柳」は正しくは木へんに夘)
「ジョギングに比べて競歩は身体への負担が圧倒的に少ない。競歩はどちらかの足が地面に着いているというルールがあり、ジャンプしてはいけない。ですから着地の衝撃が抑えられ、ひざや腰、足首を痛めることがほとんどありません。ウォーキングよりも全身を使うので運動効果は高い。ジョギング並みの運動効果が得られて、身体への負担はウォーキングと変わらないのが競歩です」
でもルールを意識しながら歩くのは、なんだか難しそうだけど……。
「競歩はおへその下は足というイメージで、骨盤を前後に動かして進むんです。お尻も足の一部だと思って動かし、地面を蹴る。手はぶらぶらさせずに、後ろに引くことを意識して動かします」(柳澤さん、以下同)
歩くのは足の筋肉を使うけど、競歩は腹筋も背筋も臀筋も使って歩くのが特長で、ゆえに運動効果が高くなるのだ。またやや前傾姿勢を意識しつつ、まっすぐな軸と姿勢を保つことも大切。この姿勢で上半身の筋肉も鍛えられる。
「観月さんは、タンニングもウォーキングも日常的にやってこられたので、競歩にもすぐになじめたのでしょう。モデルさんでもあり、競歩と共通するモデル歩きの訓練もできていたのも、向いていたのでは」
さらに競歩にはこんなメリットも。
「ひじを曲げて歩くので、二の腕もほっそり、背中の余分な肉もとれます」
競歩は、ウエスト、背中、お尻、二の腕、足のスリム効果があるってこと。これって私たちの悩みのすべてが解消されてしまう。ではどのくらい歩いたら効果が表れるのか。
「楽すぎても効果は感じにくいのですが、毎日続けられると思える、距離とスピードから始めて、継続してできる! と思える最大限を意識しましょう。歩かない日はあまりないと思うので、まずは歩くときに“競歩”を意識してみては」
【POINT】
・目線を遠くに。頭は水平移動を心がける
・地面に対して垂直にはならず、やや斜め前にまっすぐを意識する
・骨盤の左右を前後方向に動かすイメージで進む
・ひじを曲げて、後ろに引くことを意識してしっかり振る
・かかとから着地し足裏全体で地面をとらえる