血の気の多い撮り鉄、死亡事故も

自治鉄がその場にいると内輪ネタで盛り上がってたりしてウザいんですよね。自治鉄とモメた話も聞きます。昨年の江ノ電の様子を見れば血の気の多い人がいることがわかるでしょう(苦笑)」(別の撮り鉄男性、以下同)

 撮り鉄同士のトラブルだけならまだいいのだが……。

「静岡県のとある陸橋は撮り鉄に人気なのですが、陸橋下の急斜面の撮影ポジション周辺が、いつの間にかモルタルで階段状に舗装されていました。自治鉄が勝手に造成したようです。

 舗装された場所にはツイッターアカウント名と“勝手に使うな”という趣旨の文言が……。土地自体は静岡市の所有地で、私有地ではないはずです。今はもうなくなっているはずですが」

 江ノ電と同様に、地元住民に迷惑をかけることが少なくないようだ。

「'13年に『しなの鉄道』の“浅間山を背景に列車が走る姿を撮れる”撮影地で、桜の木が伐採された事件が起きました。撮り鉄は“犯人を撮り鉄と決めつけるな”と反発。

 言い分はわかりますが、正直、撮り鉄くらいしか切って得する人がいない。列車が隠れるから“邪魔”と思った撮り鉄が切ったと思います

 電車を撮影することは基本的に無料だ。ただ最近ではトラブルを避けるため“自腹”を切る者も。

「昨年、JRは『撮り鉄コミュニティ』を開始。限定撮影会など“お金を払って撮る”形ですね。JRが管理する撮影会なので、治安はいいですね。また有志でお金を出し合って貸し切りの臨時列車を走らせて撮ることもあります。数十万円くらいで走らせることのできる列車があるので」

 熱意がありすぎることで痛ましい事故も。

'10年に群馬県で男性が崖から落ち死亡するという事故が起こりました。当時、数日にわたって蒸気機関車が牽引する形の臨時列車を運行しており、それを撮影に行った撮り鉄でしょう。

 現在も撮影スポットですが、地面は木の根が隆起して歩きづらく、断崖絶壁のようなところです」

 愛することは素晴らしいこと。しかしその気持ちが暴走列車になってはいけない。

'10年に撮り鉄と思われる男性の死亡事故があった崖。ほぼ断崖絶壁
'10年に撮り鉄と思われる男性の死亡事故があった崖。ほぼ断崖絶壁
【写真】断崖絶壁で危険! 死亡事故のあった「撮り鉄」の撮影場所