後半では笑いが起こる場面も
渡部「俺のせいで、奥さんが働きに出なきゃいけなくなったから、俺が育児と家事を全般的にやっていた。子どもを保育園に送って、迎えに行って、その後ずっと子どもと一緒という感じ」
謹慎中の渡部は、子どもを預けた後、すぐに車を走らせる必要もなかった。駐車場で念入りに車内の掃除を済ませて、近くにあるスタバ併設の書店に入る。再び人生における成功へのチャンスを探すように、ビジネス本を熟読するのが日課になっていた。
児嶋「ぶっちゃけると、一番はお前とかアンジャッシュのためというより、お前の家族のためって俺は思っている。奥さんとか、お子さんとか、親。そのために、もう一度アンジャッシュをやらせていただけたらなっていう思いが強い。お前のためっていうか、お前の家族のためっていのが正直、いちばん」
そう言われた渡部は委縮するしかない。
児嶋「俺もすごく考えた。また2人でやるってなったとき、めちゃくちゃイジろうかとか。芸人だからさ。でも違う。そんな軽い問題じゃない。色んな人に相談して。やっていけるかなって。思ったんだけど、お前ちょっと硬すぎない? 俺に対して。メッセージでも“ご無沙汰しております”とか“ご自愛申し上げます”とかさ。丁寧にしなきゃっていうのが行きすぎちゃって、オカシくなっちゃってんだよ! すげえ敬語だし。でも “どーもー”とか“ウィーッス”ってのは腹立つけど。やりすぎなんだよ。2人で会っても俺のこと全然、見ないし」
次第に渡部のモノマネを入れ始めた児嶋。
「なんかもう笑っちゃうけどな。丁寧すぎて。でも、そうだよ。お前がダメなんだ。全部、お前のせいなんだから! これだけ迷惑かけたんだから! だから、それぐらいでいいのかな?」
ここら辺から、スタッフの笑い声も聞こえてくる。
児嶋「俺に対して“ありがとうございます”ってなんだ? ありがとうで、よくない?」
渡部「ありがとう」
児島「今日は、こうかもしれないけど、次からはムズイよ。どの程度やればいいのかわかんないよ」
“公開”ダメ出しで反省しきりに渡部に対し、ツッコミを入れて、思わず自分で笑ってしまう場面もあった児嶋。
児嶋「重い感じになったけど、いろんな思いを伝えられる場を作っていただいて本当にありがとうございます。これから順調にいけば『白黒アンジャッシュ』も、あと2年ぐらいで20年目になるので、それを目指して頑張っていけたらなと思います。言い残したことは?」
渡部「大丈夫です」
児嶋「次回からは通常バージョンで、ゲストを呼んで、われわれアンジャッシュでMCをやらせていただくということで、これからもよろしくお願いします!」
こうして、30分間の番組は終了。この回を収録した後、児嶋は自身のYouTubeで次のように語った。
「先ほど収録を終えたんですが、どういう回になるのか自信がない。もう1回、踏み出そうよという思いで『白黒アンジャッシュ』をやらせてもらいます、という報告です。いろいろなご意見があると思いますが、ご覧になっていただければいいと思います」
コンビの解散、妻と離婚、芸能界を引退――。すべてを回避して、最悪なスキャンダルと自粛期間を乗り切った渡部。売れっ子芸人が見た天国と地獄。再び芸能界に戻ることを選んだ渡部の未来に待つのは――。