多様化の時代、ピンクの男性戦士
スーパー戦隊シリーズは前作が45作目となり、50周年を迎えた仮面ライダーとのセットで両シリーズの歴代ヒーローが大挙して出演する映画『スーパーヒーロー戦記』が公開されるなど、盛り上がりを見せた。
これまでは、恐竜や忍者、乗り物や動物などさまざまなモチーフが採用されてきたが、今回のドンブラザーズについてはどう思うのだろうか。前出の編集者が言う。
「ジュラシックパークからの恐竜、ニンジャ・タートルズの忍者、そしてハリー・ポッターからの魔法など、そのときどきの流行をうまく取り入れるのが戦隊モチーフのいいところです。そういう意味で、“いま桃太郎ブームなのか”と言われたら、それはわかりませんが、“鬼退治”という意味では『鬼滅の刃』の影響があるかもしれませんね。ただ、鬼は味方のイエローにいるという(笑)。
とはいえ、わかりやすさと普遍性は抜群ですね。仮面ライダーでは、佐藤健主演の『仮面ライダー電王』に桃太郎要素があり大人気作となりました。電王には浦島太郎や金太郎モチーフもあったので、ドンブラザーズにも、そういった要素を持った追加戦士の登場などあるかもしれませんね」
スーパー戦隊シリーズは子どもだけでなく一緒に見る親や、大人のファンもたくさんいる。また制作側にとっては、関連するおもちゃを買ってくれる保護者ウケも大事なポイントとなる。
「ストーリーがマンネリと言われることもときにはありますが、ちびっ子ファンのためには、わかりやすさがカギですよね。また時代に合わせて変身後のCG導入や、多様化の時代に相応しく、ピンク担当の男性戦士なども今回のポイントかもしれません。
かつて『電子戦隊デンジマン』に登場した敵のヘドリアン女王が、次の作品である『太陽戦隊サンバルカン』に同じ役で登場したことがありましたが、今回も、現在放送中の『ゼンカイジャー』の主役が、同じ名前だけど“別人”という設定で登場することが発表されていて、ふたつの作品の世界線がどう関わってくるのか気になります」(映像関係者)
謎の丼物ヒーロー『ドンブリーズ』や、香りの戦士『ドンフレグランス』の、まさかの登場だってあり得るかもしれない!?
〈取材・文/渋谷恭太郎〉