皆が一つになることの素晴らしさ
さらに、羽生なりの哲学もある。
「羽生選手は験担ぎや神社巡りが好きな信心深いところがあります。それもあってか、“人にしたことは自分に返ってくる”という考えを強く持っています。なので、人のためになる行動をしようと意識もしていますし、自然とそれができるのです」(スケート連盟関係者)
ファンからの応援について聞かれた羽生は、次のように感謝を表した。
「何かをきっかけにしてみんながひとつになることが、どれだけ素晴らしいことなのかを、東日本大震災から学んだ気がしていて。
もちろんつらい犠牲の中でのことですけれども、僕の演技が、みなさんの心が少しでもひとつになるきっかけになっていたら、やっぱり僕は幸せ者だなと思います。
東日本大震災とか災害ではなくて、もっと何か健康的に、何かを犠牲にすることのない幸せな方向の(ひとつになれる)きっかけだったらとてもうれしいなと思って」
“何かを犠牲にすることのない”と羽生は口にしたが、その足はケガが治らないまま。それでも、羽生は献身的に世界がひとつになることを願う─。
佐々木政幸 慶應義塾大学医学部の整形外科学教室に入局し、大学病院や関連病院を中心に診療後、久我山整形外科ペインクリニックを開業