「編集がおもくそ嘘でした」

「石井氏は、≪1年くらい取材に協力してきた結果がこれなので、正直ショック大きい。精神衛生に悪いと思っても、なんでかエゴサしちゃうのよ…。この一週間ずっと》ともツイートしていますし、今回の放送内容は、極めて不本意なものだったのでしょう。

 制作側が、ももこさんを未熟な存在として強調していたのは明らかで、例えば妊娠中の彼女が、共生舎での子育ての展望を語るシーンでは『そんなふうにうまくいくのでしょうか。ちょっと人頼みにも見えるももこさんが心配です』とナレーションが入っていましたし、産後のももこさんが中岡さん宅に宿泊したシーンでは、『料理もすべて中岡さんの手作りです』と説明が入ったほか、アツシさんに皿洗いを任せる様子も映されていました。こうした演出によって、SNS上でももこさん批判が巻き起こり、さらに共生舎のイメージダウンにもつながりかねないとあって、関係者は悔しい思いをしているのでは」(同・前)

『ザ・ノンフィクション』をめぐっては、過去に何度もやらせや過剰演出問題が物議を醸してきた。「マキさんの老後」シリーズの主人公・女装のゲイ「マキさん」と男装のレズビアン「ジョンさん」夫婦は、2020年7月に『週刊女性』で同番組のやらせについて告発している。

「スタッフから、とにかく“ケンカしてください”と言われ、ケンカするまで帰ってくれないから早く帰ってほしくてケンカをしていた……という明らかなやらせのほか、マキさんがジョンさんと言い合いになった際、ワイングラスを割ったような演出をされたと、過剰演出の実態まで暴露したのです。『マキさんの老後』は人気シリーズだけに、衝撃を受けた視聴者も多かったのではないでしょうか(同・前)

同居生活を送る『共生舎』で、ももこさんとアツシさんが結婚パーティーを
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 2020年1月放送の「私って嫁ですか 妻ですか ~農家に嫁いだ友紀子の結婚~」の主人公・友紀子さんも、放送後に「ザ・ノンフィクションに出演してみてわかったこと」というYouTubeにアップした動画内で、「編集がおもくそ嘘でした」と放送内容に反発した。

「農家に嫁いだ友紀子さんは、農家の仕事そっちのけで婚活事業に邁進している女性なのですが、婚活応援バーの経営に失敗したため、妊活を始めた……という描かれ方をしていました。しかし実際には、以前から妊活をしていたといい、『100倍ダメな奴に描かれた』と恨み節。こうした編集のせいで『こんな奴に子どもは育てられない』と批判されてしまったそうです」(ウェブライター)

 過去にこうした問題が浮上している『ザ・ノンフィクション』だけに、今回も過剰演出疑惑が拭いきれないところだ。

「『マキさんの老後』シリーズも担当した『ザ・ノンフィクション』の元チーフプロデューサーである張江泰之氏は、ウェブメディア『#SHIFT』のインタビューで、同番組を『市井の人々がもがき苦しみながら今を生きる姿を追いかける番組』と表現していました。視聴者に、出演者の“もがき苦しむ姿”を見せたいがために、演出がどんどん過剰に……なんてことにならなければよいのですが」(前出・テレビ局関係者)

 反響の大きい作品はシリーズ化されることも多い『ザ・ノンフィクション』だが、「山奥ニート」はこれっきりとなってしまうのだろうか……。