「大学入試改革」で受験が変わる

「番組を拝見したところ、試験が記述式ではなく4択の選択問題である教育学部を狙うようですね。確かに他学部に比べて競争率も低いので、受かりやすいというのは、今の時点でいえば正しいと思います」(石渡さん)

  “今の時点”ということを強調する石渡さん。そこには『大学入試改革』という、国の取り組みが関係してくると話し、こう続ける。

「具体的に言いますと、入試内容が大幅に変更される可能性があるんです。それも突然に。2021年には早稲田大学政経学部の入試に数学が必須になりました。また、青山学院大学では総合問題という記述式の試験を導入しています。

 昨年、センター試験から共通試験に変わリました。世間一般ではこれで改革が終わったと思われているかもしれませんが、大学が個別で試験を変えてくださいというのが文部科学省の方針です」

 この流れの中、2023年から2025年にかけて各大学で改革が急速に進む見込みがあるという。

「それこそ、早稲田大学の教育学部で記述式が採用されたり、数学が必須になったりなんてこともありうるわけです。一般入試については前年の7月までにこうした変更を発表すればいいので、万が一試験内容が変わりましたら、今の“秘策”は通じなくなります」(石渡さん)

 こうした動きを踏まえた上で、石渡さんはこうアドバイスする。

「一般入試にこだわるのであれば、全教科を勉強するのは難しいので、まずは英語に集中することです。改革の流れの中で、英語民間試験の結果を反映させようというものがあります。『実用英語技能検定』ですとか『TOEIC』です。すでに上智大学が導入していますが、『実用英語技能検定』の準一級レベルを取得していれば、英語科目の免除や、試験結果への加点を行うというものです」

 確かに、1教科に絞れば効率はよくなる。

「1年で準一級レベルまで達するのもハードルは決して低くはありません。でも、全教科のレベルを上げるよりはまだ現実的。英語を勉強する合間に、ほかの教科を勉強するというのがいいかなと。

 英語なら万が一大学に入れなくても、小倉さんの芸能活動のプラスになりますし。でも、どうしても大学に入りたいというなら、受験科目が減ったり、書類審査や面接などで人間性を評価する社会人入試をオススメしますが、テレビ的にはまったく面白くないですね(笑)」(石渡さん)

 そして、大学入試の“先輩”坂本ちゃんはこんなエールを小倉に送る。

「早稲田大学を受けたとき、英語の長文問題が日本語のように読めたんです。これが辛い勉強を重ね、知識がたまってきた結果なんだ、とびっくりしたことは今も覚えています。もう快感でしかなくて(笑)。本当に頑張って欲しいです」

 さて、来年の今ごろ、彼女の元にサクラは咲くのかーー。 

いしわたり・れいじ 大学ジャーナリスト。'03年から大学や教育問題、就職活動などの評論を発表。著書に『大学の学部図鑑』(ソフトバンククリエイティブ)など多数。
さかもとちゃん '00年に『進ぬ!電波少年』内の企画『電波少年的東大一直線』でブレイク。現在は新宿ゴールデン街の店で毎週日曜日に店番や、自身の趣味である絵を描いて個展を開くなどの活動を。

取材・文/蒔田 稔