初日は移動日に充てられ、東京から三重県伊勢市へ。
「3泊4日のスケジュールでは、奈良県の『神武天皇陵』や京都府の『明治天皇陵』、『孝明天皇陵』を参拝されます。最終日の23日、帰京する際のみ伊丹空港から飛行機を利用されますが、それ以外の交通手段はすべて車です」
皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授は、こう危惧する。
「飛行機や新幹線などは、よほどの異常事態が生じない限り予定された時間やルートが厳守されます。しかし、自動車では不測の事態を招きやすいでしょう。渋滞、車酔い、お手洗い……、あらゆる想定と対策が必要になります。都内の短距離移動でも、警備や随行職員のご苦労はありますが、これほどの長距離となれば、関係者の負担は計り知れません」
国民にとって急ぐべき行事ではない
道中の交通規制やサービスエリアの封鎖を案じる声も上がっているが、
「殿下は日ごろから、市民生活へ迷惑をかけないように気を配られているため、今回のお出ましで大々的な規制を行うとは考えがたいです。例えば、天皇家は皇太子時代から、車移動の際にすべての信号が青になるように調整しますが、秋篠宮家は一般車両と同様に赤信号で停車します。皇太子と同等である皇嗣は本来、青信号にしてもよいはずですが、殿下は“皇室の特別扱い”を避けたいご意向なのです」(宮内庁関係者)
何より重要なのは、移動時の安全確保。イギリスの故・ダイアナ妃のように、交通事故に巻き込まれる可能性がないとは言いきれない。実際に'16年11月には、お忍びで登山に向かっていた紀子さまと悠仁さまらを乗せたワゴン車が中央自動車道の相模湖東出口付近で、追突事故を起こしたことがあった。
「殿下は、公務のスピーチや会見では必ず『Covid-19』という正式名称を用いますし、学術的にも新型コロナを深く理解しておられると聞きます。ただ、感染対策が先行するあまり、殿下の周辺にいる関係者たちにかかる負担を甘く捉えておられるのでは……」(同・宮内庁関係者)
前出の小田部教授は、納得がいかない様子でこう話す。
「いま“特別な形”で伊勢参りを強行する理由がわかりかねます。今回の目的は、秋篠宮さまが皇嗣となられたことの奉告であり、国民にとっては急ぐ問題ではありません。愛子さまへの皇位継承の期待が高まる中、秋篠宮家が皇嗣家であることを強く公にしたいというお気持ちなのではないかと誤解されるかもしれません」
コロナ禍以降、皇室の方々はオンラインを活用して公務をこなされてきた。大学生の愛子さまは、コロナに苦しむ国民を案じてリモート授業を続けておられる。