今回の勇気ある行動には日本中から称賛の声が相次いでいるが、特に注目されたのが、片手で制圧した理由。実はもう片方の手にスイーツを持っており、助けたあとには女児に「大丈夫? 怖かったよな。パンケーキあるけど食うか?」と呼びかけていた。これについても聞いてみると、

「パンケーキと桜もちパイじゃな。あのときは左手でパイを食べていたんだ。パンケーキは帰ってから食べようと思っておった。人間寝て甘いものを食っていれば、それだけで幸せじゃ。幼子もずっと泣いておったが、パンケーキを食って少しだけ笑ってくれたわい」

アニメやマンガが大好き

 大の甘党であることまで発覚。その優しさはまるでドラマの二枚目ヒーローのようだ。具体的には、どのようにしてパイを持ったまま取り押さえたのだろうか。

「右手で相手の左脇下を通し腰や肩、首など臨機応変に持ち手を変えてホールド……。わかりやすく言うとハグのような形をキープしながら、相手を刺激しないように敬語で日常会話を続けていた」

 その風貌で、逆に被疑者と間違えられなかったのだろうか。

「人を見た目で判断するような愚か者ならそうかもな。ところで、こういうのは余の顔がどうとかじゃなく、人間は怖い目に遭うと簡単には声を出せない。彼女が声をあげたことが何より勇気があったと思う」

身体が大きくて強いプロレスラーとはいえ、どんな相手かわからないし何か武器を持っているかもしれない。怖くはなかった?

リング上でのグレート・オーカーン選手のコスチューム(新日本プロレスHPより)
リング上でのグレート・オーカーン選手のコスチューム(新日本プロレスHPより)
【写真】少女を救出したオーカーン選手、プロレスコスチュームが独特過ぎる

「怖いわけなかろう。例え余よりデカくても凶器を持っていても、確実に制圧できる自信がある。そんな甘っちょろい練習は新日本プロレスのレスラーは誰ひとりしておらん」

 意外にも(?)オーカーン選手は大のアニメやマンガ、ライトノベル好きで"最強のオタク"とも一部ファンから呼ばれているという。試合での姿とのギャップに大きな反響を呼んでいるが、本人はいたって冷静だ。

「アニメを見ていたから道徳心やヒーローらしさを学べるし、実際『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』という警察官のアニメを見ていたおかげで、事情聴取に寛大な心でどこまでも付き合ってやろうと心構えができていた。ギャップといわれるかもしれんが、物は使いようなだけだと思うぞ」

 最後に、今回の件でオーカーン選手を知った人たちへのメッセージを聞くと、

「余は極悪非道のレスラーである。だからこそよくわかるが、この世に聖人君子はおらん。この記事を見ている貴様もそうだし、貴様が好きな者も尊敬する者もだ。だから人を許せる器と、罪を認める度量と、防犯意識を高めて幸せな人生を歩んでくれ。幸せな人生に刺激が欲しいときのみ、新日本プロレスを観に来い」

 人は見た目によらず。リング上ではさらなる勇敢な姿が見られるかも!?