涙を流すほど辛かった時期

 自身が闇落ちした経験は?

1年くらい前に1週間ほど笑えない時期がありました。仕事では笑えても家に帰ると(気分が)落ちちゃう。今振り返ると闇落ちだったと思います。原因は漠然とした不安だと思います。

 主演の仕事をいただいたりして気づかないうちにプレッシャーがあったのかなと思います。そういう状態は初めてで、母に“病院に行く?”と言われたときに涙がポロポロと出てきました。

 “何が悲しいのかつらいのかわからないけど、すごくしんどい”と言えたことで徐々に気持ちが晴れていきました。心配させたくないと内にこもっていたけど母に指摘されて感情を吐き出せたのがよかったのかなと思います

主演ドラマ続編&映画公開する小芝風花(撮影/齋藤周造)('22年)
主演ドラマ続編&映画公開する小芝風花(撮影/齋藤周造)('22年)
【写真】小芝風花、撮影中に見せた晴れやかな笑顔

 本作をはじめドラマ『トクサツガガガ』や『美食探偵 明智五郎』でコメディエンヌとして女優の評価を高めた。

 この1年は主演ドラマ『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』では物や植物の気持ちがわかる繊細な女性を演じ、ヒロイン役で主演した『彼女はキレイだった』ではラブストーリーに初挑戦し新境地を切り開いた。

私を応援してくださる方は上の世代が多かったけど同年代や10代の女性に知っていただく機会が増えたので、作品を見てもらえる層が変わったのかなと思います。

 初めてのラブストーリーでは、ほかの女優さんは10代でキュンキュン系の作品を演じていると思いますが私はまったく求められていなかった(笑)。

 どうしたらキュンキュンしてもらえるのか模索して、恋愛モノと意識せずに役として素直に相手のことを思って演じたら自然と視聴者のみなさんに、ときめいてもらえるのがわかって収穫になりました