あの人気タレントも出演!主なローカル番組
あの人気タレントも出演!主なローカル番組
【写真】タカトシにサンドも!人気タレントが出演中のローカル番組

 ローカル番組の盛り上がりで、大物が逆輸入の形で参入するケースも。テレビ金沢では、3月に東野幸治がMCを務める特番『お悩み相談牧場 東野幸治のチクチクバンバン!』を放送。パンサー尾形やずんの飯尾和樹など、キー局と遜色のない豪華メンバーが顔をそろえた。

「当番組は個人全体視聴率が7・5%で、2021年度の同時間の個人全体平均視聴率に比べ、+1・6%高い結果となっています。世帯視聴率は12・1%で、同時間比+1・6%でした」(テレビ金沢の三日市貴司編成部長)

注目度が低い分、攻めた番組が作れる

 ローカル情報番組のスタジオセットを転用するなど、地方局ならではの努力も。

「ゴールデンタイムで初めてのバラエティー番組制作で、全国区に負けない完成度を目標に取り組みました。外部の制作会社や構成作家などは入れず、自社スタッフを中心に制作体制を組んで、全国放送には出せない地元の味を追求しました」(テレビ金沢の蔵宏太朗制作部長)

 前出の衣輪さんは、魅力的なローカル番組が増えた背景をこう分析する。

キー局の番組は予算をかけているからこそ失敗ができないため、画一化されています。一方、ローカル番組はキー局ほど注目されていないぶん、攻めたものが作れるため勢いがあります。キー局の番組ではイジられキャラの狩野英孝さんも、地元・宮城の番組ではしっかりと進行役を務めるなど、タレントの意外な一面が見られるのも新鮮ですね」

 そして「ライバルは他局だけではない」と続ける。

動画配信サービスなどで、ローカル番組も収益化がしやすくなったので、今後は予算も増え、魅力的な番組は増えていくでしょう。今は視聴者が見たいものを意識的に見に行く時代。YouTubeなどに加えて、地方局も選択肢の1つとして定着したということでは」(衣輪さん)

 キー局の番組がローカル局に再生回数で負ける……なんて日も近い?

衣輪晋一 メディア研究家。雑誌『TVガイド』やニュースサイト『ORICON NEWS』など多くのメディアで執筆するほか、制作会社でのドラマ企画アドバイザーなど幅広く活動中