性加害行為によって、藤里は現在係争中だという。詳しい事情を尋ねるべく、Bさんに電話で取材を申し込むと……。
「申し訳ありませんが、まだ係争中なので……。私の口からは、現時点では何もお答えできないんです。すみません……」
そう言い残し、通話を終えた。
Aさんの話が事実ならば、藤里の行為は間違いなく性加害にあたる。4月中旬、事実を確認するため藤里に電話で取材を申し込むと、後日、本人が対面での取材に応じた。
藤里カメラマンに性加害を直撃
─Aさんという女性が、性被害を訴えていますが。
「大前提として、恋愛関係にあったんですよ」
─Aさんは仕事上の立場もあり、強く拒めなかったと話しています。
「僕は“仕事をやるから俺と付き合え”とか、何かを強要したことはいっさいありません」
─Aさんは《付き合ってるつもりはない》とはっきり伝えているかと。
「それは、最後ですよね。都内のホテルでの撮影の日に僕は告白をちゃんとしていますし、そのときにAさんは“うん”と頷いてらっしゃったんですよ。僕としては、交際関係にあったという認識です」
─仮にそうだとしても、'20年11月の段階では交際していないことになりますが。
「僕の撮影距離はめちゃめちゃ近いので、撮影中に身体が触れることはあります。ただ、故意に身体を触る、胸をなめる、挿入しようとしたなんてことは、記憶にないです」
─浴室での撮影中、服を脱いで同じ浴槽に入ったことは。
「アングルの問題で浴槽に入ることはありますし、暑ければ服を脱ぐこともあります。ただ、仮に女性が嫌がっていたとしたら、絶対にやめます」
撮影手法については、こんな話も。
「欲情して撮らないと、作品として何も伝わらないと思うんですよ。そういうふうに自分をもっていく部分はあります。だけど、実際に行為に及ぶことはありません」
あくまで性加害はなく、一部の行為は交際関係のもとに行われたものだと主張する。
しかし、Aさんはこの回答に対し怒りをあらわにする。
「彼の主張は、すべて嘘です。最初の撮影以降、一方的に好意を伝えられるようになり、どれだけ気持ち悪くても写真展を控えた立場からは強く断れず、ヘラヘラとかわすような態度をとってしまったのは事実です。それで誤解させてしまったかもしれませんが、異性として見たことは一度もありませんし、交際なんてしていません。
ホテルで抱きつかれ“好き”と言うよう迫られたとき、彼にとっては告白だったのかもしれないけど、ほぼ裸の状態で権力も体格差もある人に言われてる私にとっては、脅しでしかなかった。藤里の記憶になくても性的な行為は間違いなく受けているし、近い距離で撮影しても、モデルに抱きつく理由がわかりません」
両者の合意なき性行為は、いかなる背景があろうと認められない。一方的な感情を理由に相手の尊厳を傷つけるのは、紛れもなく“加害行為”だろう。