サバイバルゲームに没頭する(矢部誉容疑者のフェイスブックより)
サバイバルゲームに没頭する(矢部誉容疑者のフェイスブックより)
【写真】女性2人にトランプマジックを披露する矢部誉容疑者

 プロマジシャンの男性は「犯罪抑止のため種明かしに協力しましょう」と話す。

「刃物を隠し持つ方法はすぐ2つ思いつきました。例えばベルトに挟んで上着で隠し、ベルトを直すふりをして持つ。手のひらの筋力で掴んでおくやり方もあります」

 マジシャンは、親指の下の土手部分を巧みに使ってモノを掴む技術に長けているという。ほら、と言ってカッターナイフを手の内側にぶら下げるように掴みながら、手の甲は自然だった。

 揺れる満員電車内で、女性を傷つけず衣服だけをそっと切るのも簡単なのか。

「いや、女性を傷つけない自信は持てませんね。衣服の正確な厚みと素材、フィット感を把握しないと、刃先をどのくらい差し込めば服だけを切れるかわかりませんから。突然電車が揺れる不安定要素もあって危険です」(同)

悪用された危険なテクニック

 犯罪に使った時点でマジシャンとして失格だという。

「スリやギャンブルのいかさまのテクニックはマジックに転用されています。相手の腕時計をかすめとる“ウォッチ・スティール”や財布を抜き取る“ピック・ポケット”も舞台外でやれば犯罪です。エンターテイメントとして人を楽しませるために駆使するのがマジシャンです」(同)

 人を笑顔にするどころか、真逆の行為に走った罪は正当に裁かれなくてはならない。