会社上層部から「ネーミング変更」の提案がくるも…

『堅あげポテト』開発時は別チームで『じゃがりこ』が開発されていた。当時の名前は“じゃがスティック”。こちらの方が名前だけでどんな商品かわかりやすいが……。

「ある日突然、即物的な名前から、“じゃがりこ”というなかばキャラクター的なブランド名に変わりました。堅あげポテトにも上層部から名前を変えるのはどうかという提案もありました」

 時代的な背景もあり、当時はまだ会社的にトップダウンな側面もあったという。

当時の社長は堅あげポテトをじゃがりこと同様に夢のあるブランドにしたかったのだと思います。ただ、いろんな人に聞いて、調査をして、いろんな名前を考えましたが、お客様の評価として堅あげポテトがよかったので、トップの意見として尊重しつつ、堅あげポテトに収束しました

 数多くのロングセラーとなったポテトチップスを開発した神の考える“次”は?

油は身体に絶対必要なものですが、そこまで油は要りませんというお客様も増えている。そういった方にフライじゃない商品も提供できるような準備が要ると考えています。直近で手掛けたのがフライに頼らない乾燥製法のものです。今までのドライフルーツともフリーズドライともまったく違う、カリッとした食感のりんごを使った商品などですね。

遠藤氏が直近で今手掛けたフライに頼らない乾燥製法を用いた『カリッとりんご』 写真提供/カルビー株式会社
遠藤氏が直近で今手掛けたフライに頼らない乾燥製法を用いた『カリッとりんご』 写真提供/カルビー株式会社
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 まだまだ職人技から量産に向けての仕組みを作っている最中の商品なので、今はブランド育成の苦しみを味わっているところです。ここがいちばん楽しい時期かもしれないですけど(笑)」

 苦しみが楽しい。そう笑える心こそ、ヒットメーカーの心得かもしれない。