EDの症状がある→狭心症
成人男性の4人に1人は発症しているED。男性不妊を対象に、その治療薬が保険適用され話題に。EDは不妊の原因になるだけでなく、命に関わる病気と関係しているおそれも。植田さんによると、
「加齢に伴い血管の壁が硬くなる動脈硬化が進行します。すると血流が末端まで十分に行き渡らなくなって、勃起障害、つまりEDが起きるわけです。ただしEDが狭心症を引き起こすわけではなく、中年以降にEDの症状がある人は動脈硬化のリスクを抱えているケースが多いので、放っておくと狭心症や心筋梗塞になりかねないということ」
EDって、ストレスのせいであっちの元気がなくなるんだとばかり思っていた!
「ストレスでEDになることもありますよ。子どもをつくらなければというプレッシャーや仕事の重圧など、精神的な問題によって起こるものは『心因性ED』と呼ばれています。こちらは若い人に多い傾向がありますね」
虫歯じゃないのに歯が痛い→心筋梗塞
虫歯も、親知らずも見当たらない。なのに歯が痛くてたまらないとき、こんなサインが出されている可能性が。秋津先生が解説する。
「心筋梗塞や狭心症の場合、心臓から遠くにある歯に痛みを感じることがあります。心筋梗塞を起こすと心臓から脳に痛みの指令が伝わるのですが、心臓の痛みを伝える神経は、あごや歯に痛みを感じる神経と近いところにあります。そのため脳が心臓の痛みを歯の痛みと間違えて認識することがあるんです」
ちなみに、心筋梗塞と聞くと心臓のあたりが痛くなるイメージがあるけれど、
「左胸を押さえて“このあたりが痛い。狭心症や心筋梗塞ではないか?”という患者さんがよくいますが、そうではないケースがほとんど。たいていは肋間神経痛や筋肉痛です。本物の狭心症は胸の真ん中あたりが圧迫されるように痛むことが多いもの。この場所とピンポイントで特定できるものではありません」
眉が薄くなった→橋本病
若いころ、安室奈美恵をまねして眉を抜いていたら、ついに生えてこなくなったアラフォーは多いはず。でも急に薄くなったときは「病気の可能性もあります」と秋津さん。
「甲状腺機能が低下して起こる病気のひとつに橋本病があります。身体を外敵から守るはずの免疫が、どういうわけか自分を攻撃するようになり、身体の発育や細胞の成長を促す甲状腺ホルモンが不足するようになるのです。すると新陳代謝が低下し、頭の働きが鈍くなったり、眉や髪の毛が抜けて薄くなるといった症状が現れるようになります」(秋津さん、以下同)
治療法は、不足している甲状腺ホルモンを補充してあげればいい。
「橋本病は30代~40代の女性に多いのが特徴です。遺伝的な影響もみられ、両親や祖父母に橋本病の人がいる家系では発症リスクが高まります。ストレスも原因のひとつといわれているので、ため込まない工夫が必要でしょう」