大型連休中のロックフェスでのパフォーマンスを巡って、ひと騒動が起きた。
上野樹里、夫のフォローで見せた強い女性像
TRICERATOPSの和田唱がツイッターで《ステージ上での泥酔を良しとする風潮はどうなのよ?》《周りがチヤホヤして許すから裸の王様が出来上がるんだ》《以前は尊敬してたけどね》と批判。その対象が奥田民生だと判明したあと、和田は奥田から謝罪され和解したとして、批判のツイートを削除した。
そんな騒動に関わった人がもうひとり。和田の妻で女優の上野樹里(35)だ。「奥田を呼び、ステージに上げると決めたのは、和田たちではないのか」という指摘に対し、
《ゲストに呼んだのは唱さんじゃありません。イベント側です》
と、反論ツイート。夫のフォローに回った。彼女の「モノ言うキャラ」は健在のようだ。
また、ダイワハウスのCMには怖がりでひ弱な夫をたくましく引っ張る妻役で出演。そんな「強い女キャラ」も、今回の騒動で裏打ちされた感じだ。
こういうキャラの人はとかくアンチも生みやすいが、彼女の場合はそうでもない。その最大の理由は女優としての実績だろう。
17歳のとき、NHKの朝ドラ『てるてる家族』でヒロインの姉役を演じて以来『のだめカンタービレ』(フジテレビ系)や『江~姫たちの戦国~』(NHK)『監察医 朝顔』(フジテレビ系)といったヒット作に出演。その「天然系自然体」というべき演技は大竹しのぶあたりの系統を受け継ぐものだ。
が、彼女にはもうひとつ箔付けにつながったものがある。それは和田との結婚、いや、それによって料理研究家・平野レミと嫁姑関係になったことだ。
平野も「モノ言う強い女キャラ」に見えるため、その関係にはやじ馬的な興味が集まった。しかし、平野は上野について、
「目がでっかいんですよ。態度もでっかいですよ。いいですよ~明るくて元気で、よくしゃべる」
と、称賛。上野も平野を「お手本」と呼んで持ち上げている。いわば、似た者同士だとして円満をアピールしているわけだ。実際、物理の法則ではないが、同等のパワーを持つ者同士なら均衡がとれるということかもしれない。
また、売れっ子であり続ける妻に対し、夫は寡作(かさく)でどこか悠々自適にも思える音楽活動。にもかかわらず、格差云々の声が出ないのは、上野が良好なパートナー関係をちょくちょくちらつかせるからだろう。
主婦向け雑誌のエッセイでは、ドラマで多忙な時期の生活について、
《夫が用意してくれたご飯をいただいて、しばし喜びに浸る。(略)それがなんとも幸せなのです》
などと告白。今どきっぽい夫婦のあり方を示すことで、雑音を封じてしまうのである。
とはいえ、スキャンダルは芸の肥やしという言葉もあるし、すべてが順調というのもやじ馬的にはつまらない。ましてや有名人ばかりの一家には騒動を期待してしまうが、彼女にしてみればそれこそ《意味わからないこと》だろう。
思えば、不幸を寄せつけないような「圧」の強さも、上野は平野と似ている気がする。「唱さん」もそんなところに惹かれたに違いない。