「50万円請求したい」「5000円しかもらえなかった」異なる言い分
K氏とT氏はすぐに戻るだろうと考えていたが、壱成はいっこうに戻らない。電話をかけてもつながらない状態に。
「ようやく連絡がついたのは、4月中旬。その電話も“会社設立でなく、業務提携という関係にしたい”と一方的に主張してくるのです。それはできないと言うと、電話は切れてそれっきりです。今でもホテルに彼の私物は残ったまま。住民票もここに置いているので、彼宛ての請求書や郵送物が届くのも迷惑しています。約束を反故にした以上、彼を住まわせていた3か月分の宿泊費や食費など、約50万円分を請求しないと気が済みません」(T氏)
K氏もいら立ちを隠さない。
「彼が起こしたトラブルの尻拭いをして、ずっと面倒を見てきました。こんな終わり方は納得できません。父親の石田純一さんからでもいいので、誠意のある対応をしてほしいのです」(K氏)
壱成の言い分を聞くため、彼に連絡をしてみると「持病でところどころ記憶が曖昧だが、直接説明したい」と、経緯を振り返ってくれた。
「石川県に住んでいたとき、K氏は親分肌で“おまえは俺の弟だ”と言って面倒を見てもらっていました。妻との離婚後は、仕事も住むところも困っている状況でしたから、環境を変えようと、芸能関係の仕事をしていたというT氏を頼ることにしたんです」
しかし、T氏のキャリアは舞台が中心だったため、テレビや映画のコネクションはほぼゼロだった。
「自分はうつ病を患っていることもあって、体調が優れないときは部屋で横になることも多かったのですが、それも気に障ったらしく、毎夜、酔った2人から説教されていました」(壱成、以下同)
仕事も決まらず、閉塞感が漂う共同生活。ほどなくして、壱成のSNSに植毛手術モニターのオファーが入る。
「ギャラは100万円で、そのうち渡航費は約20万円。振込先はT氏でした。渡航費を引いた残りの80万円を分配することになって、とりあえず20万円欲しいと要求しましたが、2人は“金はこっちで管理する” “むしろ、おまえの経費がかかって赤字だ”と言い出して、結局渡されたお金は5000円でした。自分は若いころ、父にお金を管理してもらっていましたが、使い込まれたこともあったので“また、搾取されるのか”と怖くなってしまいました」