嫌われ炎上要素

ちむどんどん』の嫌われ炎上の要因――まずは、黒島演じるヒロイン・暢子に対して「共感できない」という声が多く上がっているのだ。

共感できない主人公

 暢子は、子どもの頃からおいしい食べ物が好きで、食いしん坊という設定。家族の炊事を担っていたことや、高校時代に料理部の助っ人として料理対決に参加、チームを優勝に導くという経験から「料理人になりたい」という夢に気づき、上京して料理人を目指した。

「ただ現状では、残念ながら朝ドラヒロインにはふさわしくない、視聴者から共感されない描かれ方をされている感じです。華丸・大吉さんも苦言を呈していましたが、レストランのオーナーに逆らって料理対決を挑んだことなどが、勝手すぎる、生意気すぎる、と見えてしまっていますね。

 主人公が突拍子もない言動をして、それが結果としてうまくいく、というのは“朝ドラあるある”な気がしますが、それでも今回、暢子が共感を得られないのは、彼女のキャラクターの“芯の部分”が伝わってきていないからなのかもしれません。

 “おいしいものが好き”で料理人を目指して上京したのですが、その理由づけのところが“あまりに弱い”という指摘もあります。そこには当然、これまでの朝ドラヒロインとの比較も生じているでしょう。

 朝ドラのヒロインは、運命に導かれるように自身の人生を歩み、もがき苦しみながら明るい未来を目指して生きていく――そうしたイメージがありますが、暢子はそのベースの部分がしっかりと構築されていない印象で、乗れない、共感できないのかもしれません。だからこそ、いちいち彼女の言動、態度が鼻についてしまう視聴者がいるのではないでしょうか」(前出のテレビ誌編集者)

 暢子以上に注目されているのが、竜星涼(29)演じる暢子ら姉妹の兄・賢秀だ。賢秀はトラブルメーカーで、暢子の内定先の会社社長の息子と暴力沙汰になり警察のお世話になったり、詐欺師に騙されたうっぷんを晴らすためにハンバーガー店を破壊したり、川口春奈(27)演じる妹・良子に求婚する相手の家族からカネをだまし取るなど、悪事の数々が作中で描写されている。

竜星涼演じる兄・賢秀の度を越す悪事

「これも朝ドラあるあるで、ヒロインの家族のトラブルメーカーとして迷惑をかける、というのはよくあることだと思われますが、さすがに今回は度を越しているのか、演じている竜星さんのことまで嫌いになってしまった、という視聴者もいるようです。

 もちろんこの悪行三昧は演出で、おそらく最終的には賢秀は立派になって、迷惑をかけ通しだった家族を、そして視聴者をも感動で泣かせるという展開がありそうですが、現状は、“それにしてもひどすぎる”という意見が多いですね」(前同)