不良たちの熱い魂にひかれて
「不良たちが甲子園を目指す姿に胸がアツくなった」(38歳)「青春、スポ根、不良の三拍子がそろっていた」(41歳)などの声が多かったのが、第3位の『ROOKIES』(2008年・TBS系)だ。
部員の不祥事によって活動停止に追い込まれ、不良のたまり場になった元強豪校・二子玉川学園高校の野球部が舞台。同校に赴任し、野球部の顧問になった教師・川藤幸一が、部員たちとともに甲子園を目指すストーリーだ。
沖さんは同作品について、ストーリーの熱量もさることながら「イケメン発掘ドラマ最盛期の作品」と評する。
「2005年の『ごくせん』の第2シーズン、2008年の『ROOKIES』、ヤンキー作品ではありませんが、2007年の『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』(フジテレビ系)。私はこれらを“三大イケメンドラマ”と位置づけています」
登場人物ランキングの4位には市原隼人(35)が演じた、安仁屋恵壹が名を連ねた。「不良だけど野球に対する安仁屋のまっすぐな気持ちにグッときた」(60歳)「だんだん真剣に野球に取り組むようになる経緯が忘れられない」(41歳)など、彼の心情の変化に胸打たれた人が多数。スポ根とヤンキーの魅力が詰まったドラマだ。
4位の『ナンバMG5』(フジテレビ系)は、現在放送中のヤンキードラマ。
間宮祥太朗(28)が演じる主人公・難破剛は、筋金入りのヤンキー一家に生まれながら脱ヤンキーを目指す、不遇な高校生。家族の前では金髪で特攻服(トップク)を着た「ヤンキー」姿で過ごし、親に内緒で通っている進学校では髪を黒く染めてきっちり校則を守る、まじめな美術部員……ほぼ一人二役状態の間宮の演技にも注目が集まっている。
「ヤンキー一家に生まれて仕方なくヤンキーをしている設定がおもしろい」(59歳)「まじめに高校生活を送りたいのに、いざケンカとなるとめちゃくちゃ強いというギャップがいい」(60歳)というコメントが多く寄せられた。はたして、難破に平穏な日々は訪れるのか。今後の展開から目が離せない!
そしてドラマ部門第5位に名を連ねたのが、1998年放送の学園ドラマ『GTO』(フジテレビ系)。元暴走族の新任教師・鬼塚英吉(演・反町隆史)が、毎回破天荒な方法で生徒たちが抱えるトラブルを解決する。
援助交際やいじめなど、作中では当時の社会問題も扱い、話題に。2012年にはEXILEのAKIRA(40)主演でリメイク作品も制作されている。
前出の鯉斗さんも、鬼塚英吉には強い思い入れがあるという。
「バイクが出る不良漫画が好きで、鬼塚の暴走族時代を描いた前日譚『湘南純愛組!』(藤沢とおる/講談社)も夢中で読んでいたんです。当然『GTO』も読んでいて、反町さんのドラマも見ていました。鬼塚は教師になってもヤンキーとしての矜持を忘れない男。本当におこがましい話ですけど、暴走族を卒業して別の道を歩んでいる点で、鬼塚と自分を重ねていましたね」
『GTO』はさまざまな意味で大切な作品、と語る鯉斗さん。アンケートでも「型破りだけど、生徒のことを一番に考えている先生だった」(60歳)「こんなおもしろい先生がいれば、思い出深い高校生活が送れそう」(66歳)など、鬼塚へのラブコールがやまない。
「やっぱり鬼塚やヤンクミのように生徒ひとりひとりの個性を尊重して、道を間違えたら本気で怒ってくれる先生がいたら、学校に行きたくなりますよね。僕が中学時代にお世話になったサッカー部の顧問の先生は、そんな彼らのような熱い先生で、真正面から僕にぶつかってくれました。
年々ヤンキー自体が減っていますが、全力で向き合ってくれる先生も減っているんですかね。久々に『GTO』のようなスカッとする学園モノが見たいです」(鯉斗さん)
時代を象徴する“ヤンキー作品”の名前が挙がった今回。たとえ本物のヤンキーが絶滅してしまっても、ファンタジーな存在として生き残り続けるかもしれない。