1位選出となれば、日本人初の快挙。偉業達成を目前にファンの期待は自ずと高まるが、本人は至って冷静なようで……。
「1つの指標として意識はしているかもしれませんが、尚弥くんの陣営が昔から目標に掲げてきたのは“4団体統一”。PFPは、あくまで結果としてついてくるものという認識でしょう」(尚弥の知人、以下同)
「いつかは具志堅さんの記録を抜く」存在に
ドネアを破れば、見事3団体統一。夢に向けて大きな一歩を進めることとなるが、尚弥の陣営にはもう1つ野望があるという。
「所属ジムの大橋秀行会長はプロデビュー前から尚弥くんを特別視していて、“いつか具志堅さんの記録を抜く”と、元世界チャンピオンの具志堅用高さんが持つ世界王座13連続防衛を超えるような存在になることを掲げていました」
尚弥の強さを持ってすれば、レジェンドの偉大な記録を更新するのも夢物語ではないだろう。そんな彼のそばには、大橋会長も信頼を寄せる心強い味方が。
「トレーナーを務める父・真吾さんを含め、井上家は家族で1つのチーム。真吾さんは若いころヤンチャだったのがなんとなくわかるような、気さくで明るい人ですよ(笑)。普段は冗談も言うお茶目な方ですが、ボクシングのこととなると目の色が変わる。尚弥くん自身も今は奥さんと3人の子どもを持つ父になって、パワーアップしている。彼の強さを語る上で、“家族”の存在は欠かせないと思います」
一家の支えのもと、リング上では無類の強さを誇る尚弥。では、リングの外での人間性はというと……。
「爽やかな好青年といった感じで、10代のころから受け答えや礼儀、振る舞いが完成されていました。ご両親の教育の賜物だと思いますね。威圧的な言動は一切ないのに、関係者も緊張してしまうようなオーラというか、風格があるんですよ。これは、彼がチャンピオンになる前からです。大橋会長を含め、周りの人間はみんな“これが世界王者になる男だ”と確信していました」
チャンピオンの名に恥じない振る舞いを見せているようだが、実はそんな尚弥にも“ウィークポイント”があって……。
「ボクシングにおいては人間離れした強さですが、テレビのバラエティ番組や雑誌の撮影など、自分の専門外の現場となると彼でも緊張するようです。以前、番組出演のためテレビ局に行った際、“楽屋挨拶とかテレビ業界の勝手がわからなくて、困惑した”なんて話も聞きましたよ(笑)」
さらに、あの女性タレントにまつわるこんなエピソードも。
「'13年4月10日、プロ3戦目を控えた尚弥くんがジムで公開練習と会見を行なった日のこと。会見にモデルの菜々緒さんがサプライズゲストで登場し、この日が20歳の誕生日だった尚弥くんにネクタイをプレゼントしたんです。すると、いつもポーカーフェイスな彼も珍しく照れた様子で緊張してしまったそう。話を聞いて、尚弥くんも人間なんだなと、ある意味安心しました(笑)」
意外な弱点を見せていた尚弥だが、ひとたびゴングが鳴れば向かうところ敵なし。6月7日は、ボクシング界の“怪物”の勇姿を見逃せない!