少子化に反して広がるランドセル市場
そんな子どもの負担を大きくしているようにも思えるランドセルだが、市場規模は縮小するどころか、少子化に反比例するように広がっている。各メーカーが消費者に手に取ってもらうように競って軽量化、なおかつ耐久性を追求した結果として、価格は年々高くなっているようだ。
ニッセイ基礎研究所が2019年に発表した資料によると、小学1年生の人口は2006年の120万人から、2018年までの12年間で106万人に減っているものの、一方でランドセル市場は同年の359億円から546億円と右肩が上がり。1個当たりの平均価格も同様に、2万9900円から5万1300円に跳ね上がり、購入金額平均もまた『一般社団法人日本鞄協会ランドセル工業会』調査によると、2022年は5万6425円でこちらも年々増えている。
近年は“ラン活”という言葉が生まれた通りに、人気ブランドのランドセル購入はおよそ1年前から予約、また試着するショールームも予約制をとるお店もあり、さらに高級感を高めている。もはや、ラン活は祖父母も含めた家族総出の一大イベントの側面もあるだけに、小学生の「重いランドセル」問題もまだまだ続きそう。
現役の小学生が考えた『さんぽセル』。小学生の心身にも、また頭を悩ませる各小学校に文科省、さらにはラン活市場にとってもやさしい商品なのかもしれない。