この発言は、メジャーリーグでは主流になっている“データ野球”のことを指しているようだ。
ここ数年、AIなどの発達によりデータ解析が進化し、情報量が急増。選手は自分の長所や弱点などを丸裸にされるようになった。試合中、ベンチでタブレット型端末を使って対戦相手のデータや自分のフォームを見直すのは選手のルーティンになっている。
「データによる分析は、今やメジャーリーグの基本中の基本。もちろんマドン監督はその流れには対応してきました。そのうえで、長年培ってきた自身の観察眼や直感も大事にしたかった。解任直後も米国メディアに“私はアナリティクスが大好きだ。だが、無理強いされるのはごめんだ”とこぼしていましたからね。選手との対話を大事にしてきたベテラン監督だけに、数字ばかりにとらわれ、現場の空気感や感覚がわからないフロント上層部が頭ごなしに指示してくることにウンザリしていたようです」(前出・現地のスポーツライター)
“マドンイズム”は継承されるのか
ファンたちの知らないところで、修復できないほどの亀裂が入っていたようだ。マドン監督は解任時の会見で「ただ球場に来て、野球を楽しむことができなくなった」とも嘆いていた。
「いくら“マドンイズム”を継承するとはいっても、フロント主導の試合運びとなれば、大谷選手の起用法に暗雲が立ち込める可能性もあると思います。今はネビン氏が監督を代行していますが、次に就任する監督によって大谷選手の今後は大きく変わってくるでしょう。昨年に比べると結果こそ出ていませんが、彼の実力的にはまだまだメジャーで二刀流を続けられると思うので、その思いを汲み取ってくれる監督に来てほしいですね」(前出・スポーツ紙記者)
「彼のことが大好き」と、シンプルな言葉で大谷との信頼関係を築いてきた名将はもういないけれど、これからも二刀流を楽しませてほしい!