大御所俳優との思い出

 2年目からは大人気ドラマ『暴れん坊将軍』に出演。

「4年間、出させていただきましたが、私の役は1回の放送で6~7人殺すんです。1年で何人殺しているのか計算しちゃいました(笑)。主演の松平健さんは1つ年下ですが、私たちは2人ともデビューしたばかり。勝新太郎さんがよくご飯に連れていってくださって。ディスコで踊ったりして遊びましたよ

 '80年から始まったドラマ『ザ・ハングマン』で共演した植木等さんにも、可愛がってもらった思い出がある。

日活スタジオにて植木等さんと。2人とも名産『伊勢うどん』が大好きだった
日活スタジオにて植木等さんと。2人とも名産『伊勢うどん』が大好きだった
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「植木さんは大正15年生まれで、私の父と同じ年でしたから、父親のようで。伊勢市出身の同郷でもありました。“陽子ちゃん、どんなに忙しくても自分が女であることを忘れたらダメだよ”って。仕事ばかりではなくて、ちゃんと恋もしなさいってことだったんでしょうね」

 大御所俳優の三國連太郎さんや森繁久彌さんにも目をかけてもらった。

森繁久彌さん
森繁久彌さん

「森繁さんとは家が近所だったので、いろんな席に誘われました。私がフェラーリで遊びに行くと目を丸くして“みんな、陽子がフェラーリでやってきたぞ!”って。車好きでしたね。腕を組んで一緒に花見も行きました。帰ると“陽子、今から風呂に入るけど一緒に入らないか”って(笑)。“今日は遠慮しときます”って断ると“入ろ、入ろ”って腕を引っ張ってきたり(笑)」

 森繁さんに誘われてクレー射撃が趣味に。5年前から女性として初の『日本クレー射撃協会』理事を務めている。

「三國さんとは、沼津の家に泊まりで遊びに行かせてもらったり、お買い物に同行したり。役者としては、あるときは農家のおじいさん、あるときは頭の切れるお医者様になり切る。お百姓さんのときは足の裏まで真っ黒にして、爪の間に土を入れます。役のためなら歯を抜いちゃうような人ですから。

 森繁さんはどの役でも森繁さん。全然タイプが違いますけれども、このおふたりから“一流の役者”としての生き方を学びました」

三國連太郎さん宅にて。三國さんは酒を飲まず、甘党だったそう。
三國連太郎さん宅にて。三國さんは酒を飲まず、甘党だったそう。

 梅宮辰夫さんとはマンションが隣同士で交流があった。

「あるとき梅宮さんから“陽子、今は家に帰ってこないほうがいい。陽子を狙ってマスコミがいっぱい集まっている”という電話が。おかしいな、騒がれるようなことはしてないのにって思ったら、また電話があって“陽子、違った。ウチのアンナだった”って(笑)。アンナちゃんが羽賀研二さんとのことで騒がれているときでした」

 後輩ではジャニーズとの共演も多い。郷ひろみとはモデル時代にロッテのCMで共演。

 サーキットで近藤真彦が運転する車の助手席に座ったことも。16歳当時の岡本健一とも共演したが、寝てばかりなのに台本を完璧に覚えていて驚いた。少年隊とも深い縁が。

「今年2月にやった『TARKIE THE STORY』というミュージカルは、カッちゃん(植草克秀)が演出をしていたんです。“お久しぶりですね”って挨拶に来てくれました。雑誌の取材でニッキ(錦織一清)の車について、私がインタビューしたことがあって、それから何度も少年隊のコンサートを見に行ってるんです。ヒガシくん(東山紀之)は京都での撮影のとき、着流しで歩いていく後ろ姿がカッコよくて。お尻がピッと上がっていてね」