一直線に歌舞伎道を邁進し始めた染五郎。なにが彼をそこまで突き動かすのか。
「彼の夢は自身の屋号である高麗屋の芸を継承すること。特に祖父・白鸚さんの十八番『勧進帳』の弁慶を自分のものにしたいと思っています。ただ、彼の場合は人並み以上の努力が必要になるでしょう」(同・梨園関係者)
というのも、彼は高麗屋の歌舞伎俳優として、普通ならぜいたくな悩みとも言うべき“弱点”を抱えている。
「顔が小さいんですよ。一般的にはスタイルがよく見えるのでいいことなのでしょうけど、演技の迫力に欠けてしまい、デメリットになりかねないんです。それに高麗屋は豪快な芸を持ち味にしている家柄ですが、染五郎さんは細身。白鸚さんの芸を継承するなら、もっと貫禄をつける必要がありますね。ただ努力家の彼なら、いずれ弱点も克服できるでしょう」(同・梨園関係者)
染五郎の挑戦は、まだまだ続くようだ。