世界的な賞の受賞に父親が語ったこと
今や世界的デザイナーとしても認められるようになった篠原だが、その起点は母親にあった。10歳のとき、母親に手づくりのプレゼントを渡した出来事を新聞のインタビューでこう語っている。
《母は大喜びで褒めてくれた。それがすごくうれしくて(中略)物作りの原点はここにあると思います》
娘が評価され、両親もさぞうれしいことだろう。都内の実家を訪ねると、元寿司職人の父親が取材に応じてくれた。
まず、世界的な賞の獲得について感想を聞くと、
「おかげさまで。ありがとうございます」
と、少しだけ顔がほころぶ。
─デザイナーを目指したきっかけは、お母さんの影響?
「きっかけは確かにそうなのかもしれませんが、親としてはただ見ているだけで。芸能界も含め私たちにはわからない世界ですから、ああしなさい、こうしなさいというのはないんですよ」
─彼女が自分の力で切り開いてきた?
「自分なりに考えて一生懸命頑張っていると思います。身体に気をつけて、好きなことを思う存分にやってほしいですね」
娘のことを信頼し、温かく見守ってきた家族がいたからこそ、今の彼女がある。