NHK党は2019年7月の前回参院選では比例区で約99万票を獲得し、1議席を確保している。個人得票のトップは約13万票を集めた立花党首だった。
立花党首は議員バッジをつけたものの、参院選挙区へのくら替えを決断し、比例区で次点だった浜田聡氏(個人名の得票は約9300票)が繰り上げ当選した経緯がある。
「NHK党の結党当初は、NHKに受信料を払いたくない人や、巨大組織に立ち向かう姿を応援する有権者もある程度いたでしょうが、年月を経てそのインパクトも弱くなっているように感じます。社民党やれいわ新選組も厳しい闘いを強いられるだろうと予測される中、目立つ実績の見当たらないNHK党が、反NHKの旗印で乗り切れるとは考えにくいですね」
と前出の有馬さん。
番狂わせの可能性も
同党は「年金受給者のNHK受信料の無料化」を公約し、消費税や社会保険料の引き下げを目指すとしている。ほかにも防衛費をGDPの2%程度に引き上げることや敵基地攻撃能力を持つべきなどと主張しているが、政策の柱がNHK絡みである点は変わらない。
「番狂わせがあるとすれば、公金に対する有権者の厳しい目線を“追い風”にできるかにかかってくるでしょう。山口県阿武町の給付金誤振り込み騒動や、持続化給付金の大型詐欺などで公金の扱われ方に不満が高まっています。立花党首はテレビの党首討論などで、年金生活者や生活保護費受給者らのNHK受信料が減額されない制度はおかしいと筋の通ったことを話しています。この点について共感する有権者は一定程度いるのではないでしょうか」(前出の有馬さん)
NHK党といえば、立花党首の
「NHKを、ぶっこわーす」
という決めゼリフでおなじみ。
公示日の6月22日の“第一声”でもこのセリフとともにアッパーカットをかますポーズを披露し、YouTube動画でもさんざん繰り返してきた。
それでは当の東谷氏はというと……。
「東谷氏は選挙期間中もドバイから帰国する予定がない。街頭演説の代わりにネットを活用する戦略のようで、立花党首は選挙期間中の“爆弾投下”を予告するなど張り切っている」(前出・スポーツ紙記者)
冒頭の“被弾報告動画”で立花党首はこう話を続けている。
「ガーシーには“気にせずガンガンやってください”と伝えてあります。立花孝志やNHK党には知られて都合の悪いことはいっさいありません。隠しごとは少なくともないです」