芸能界を志したきっかけは、自分が22歳のときに父親からもらったJUJUさんのライブチケットなんです。もともと歌うのは大好きだったんですけど、ライブを体験したことがなくて。それが会場に入った瞬間に鳥肌が立って、“こんな世界があるんだ”って圧倒されました。自分も歌手になりたいと思って上京し、「東京ボーイズコレクション【イケメン総選挙】」というオーディションで3位に入賞。
そのときに事務所社長に「歌手をやりたいんです」と直談判し、尾崎豊さんの『I LOVE YOU』を歌いました。それで社長が「悪くないね、やってみる?」みたいなノリで、そこからトントン拍子で歌手デビューできたんです。言ってみるもんだなって(笑)。
寺西優真という芸名は、社長が細木数子さんと懇意にしていて、細木さんが名付け親になってくれました。
歌手志望だったので、俳優に関してはあまり興味がなかったんですけど、実際に演じてもっと勉強しないとと思い、海外ドラマを見ているうちにハマっていった感じです。
主演映画もやらせていただいて、最初はプレッシャーもすごかったんですが、ひとつひとつの仕事に全力で向き合おうと考えて。なのでAI刑事を演じた『TOKYO24』で最優秀主演男優賞を受賞できたのは頑張ったことが報われた瞬間でうれしかったです。
アーティストと俳優はどちらも表現するという共通点はありますけど、自分にとっては全くの別物です。歌なら3〜4分で自分の気持ちを伝えないといけないし、演技だと長時間、自身とは違う人間を演じる必要がありますし。ただ、俳優としていろんな人を演じることが、歌うときの感情の込め方などに活きている気がします。
7月4日にテレビ東京で放送される高橋英樹さん主演のドラマ『再雇用警察官4』にホスト役で出演します。これまで正統派の役が多かったので、違う自分が見せられる、やったと(笑)。高橋さんには演技のことはもちろんですが、主演としての現場での振る舞い方なども勉強させていただきました。
ミュージックビデオが100万回再生
アーティストとしては、昨年末に大先輩である北山たけしさんにフィーチャリングしていただいた『月曜日、けやきの下で』という曲がYouTubeのミュージックビデオで100万回再生を突破したんです。
多くの人に届けたい思いが強かったので、うれしかったですね。
自分には東京ドームに立ちたい、という大きな目標があって。毎日のように夢に出てくるし、芸能界を目指すきっかけとなったJUJUさんのライブの感動が今でも忘れられないんだと思います。
その目標に向けて、休みの日もずっと歌のことや仕事のことを考えています。
最近、週2〜3回のペースでサウナに行くんですけど、無になるのは最初の1セット目だけ、2セット目からは仕事のことを考えちゃってます(笑)。
寺西優真 ●1994年1月3日生まれ。2018年に日本武道館でアーティストデビュー。同年12月には主演映画『TOKYO24』がモナコ国際映画祭で最優秀主演男優賞含む5冠受賞。2023年には大村崑とのW主演映画『SPELL〜呪われたら、終わり〜』が公開予定。