安倍元首相に発砲された瞬間、警護と思しき者は驚いて後ろを振り返り…(目撃者提供)
安倍元首相に発砲された瞬間、警護と思しき者は驚いて後ろを振り返り…(目撃者提供)
【写真】安倍元首相が発砲された瞬間、警護と思しき者がとった行動

「寡黙でどこか闇を抱えているようなタイプでした。みんなで和気あいあいとしているときも交じろうとせず、ひとりで黙々と何かをやっていましたね。成績はそこそこで、運動神経はいいほうだったと思います。印象が薄いので、エピソードは何も思い出せないんです」

県内トップレベルの高校を卒業した容疑者

 通っていた高校は県内トップレベルの進学校。関係者によると、ほとんどの生徒が大学に進学し、自衛隊に進むのは珍しいという。山上容疑者は卒業した3年後、海自の任期付き自衛官になり、約3年で退官した。

 別の同級生は、

「いつから自衛官を志すようになったのか。高校時代はミリタリーマニアをうかがわせるような言動はなかった。卒業後は話題にのぼることなく存在すら忘れられていた。女子生徒にはモテなかったし、クラスメイトなのに事件を知っても“違うクラスだったんじゃないか”と話す女子もいるほど」

 と、やはり存在感の薄さを打ち明ける。

 容疑者が住んでいたのは8階建て賃貸マンションの最上階。19平方メートルのワンルームで銃撃現場から約4キロメートルと近い。事件後、報道陣約60〜70人が押し寄せ、近所の住民や野次馬も交じりごった返していた。

 警察が家宅捜索に入り、同日夜には爆発物処理班と思われる4、5人が毛布にくるんだ押収物を両手に抱えて出てきた。

 数十分後、別の警察官が、

「これから爆発するかもしれない物を運ぶので注意してください」

 と叫び、ピリリと緊迫感が増す。自宅からは手製の銃のようなものが数丁押収されたという。

 奈良県警は容疑を殺人に切り替え、詳しい犯行動機や計画などを調べている。同夜、現場に献花に訪れた奈良市内の男性(60)はこう話す。

「安倍さんは2度も首相を務め、病気と闘いながらも政界引退はしなかった。どうぞ安らかに眠ってくださいとお祈りしました」

 事件の詳しい背景の解明が急がれる。