知人からの言葉に「ハッとした」
料理もプロ級でレシピ本も出す松居だが、ブログには健康に良さそうなお手製のみそや柚子こしょう、明太子、レバーペースト、牡蛎のオイル漬けなどの写真を載せている。
「種を抜いたナツメを刻んでクコの実と一緒にシロップで煮詰め、お茶にします。それを水筒に入れて出かけることも。更年期に必要な亜鉛は最初サプリでとっていましたが、今は“たまに牡蛎を食べればいいや”って(笑)」
不安になると何か口に入れたくなるものだが、食べ物に逃げることと癒されることは違う、と考えている。
「同じ食べるなら、なるべく身体にいいものを食べるほうがいい。自分で手をかけて作っておいたお茶を飲むと、気分も良くなるんですよ」
そんな松居が更年期の女性にオススメするレシピが最後に紹介する『豆乳のスープ』。松居自身が好きでブログにもよく登場しているレシピだ。
「あとはザワークラウトなどの発酵食もオススメですよ。私はこれさえあればいいって言うぐらい水キムチが好き♪」
そうはいっても、常にしんどい更年期。長い付き合いになることもある。日々料理を頑張りすぎなくてもいい。
「おとといの朝、7時ぐらいにファミレスに行ったんです。なんか疲れて、ごはんを作る気がしなくて。サラダとトーストを頼んで、ルイボスティーと、コーヒーも飲みたいなって思って飲んで。こんなにちゃんと食べて、洗い物もしなくていいなんて、ファミレスすごい!って思いました。実は、朝ごはんをファミレスで食べるのは初めて。こんなに楽ならしばらく通おうかなって思いました。だって私、更年期なんだもん(笑)」
体調やメンタルの不調に苦しむなか、知人からの忘れられない言葉がある。
「息子が不登校だったころ、私は自分自身をすごく責めていました。だけどある日、知人から“物事には何かしら理由がある。それは子どもの反抗期も同じ。八方ふさがりななかで、自分が自分を責めてしまったら、行き場がなくなってしまう。世界中の人に否定されても、自分だけは自分を否定してはいけないよ”って言われて、すごくハッとして。胸に刻みました」
10年以上バレエを続け、自宅には練習用バーを設置。コロナ禍でも、リモートでのレッスンに励んでいた。そんな松居が運動を始めたきっかけは?
「左肩の張りに悩んでいたんですよね。それで“肩が張っているから気分が落ち込むのか、気分が落ち込んでいるから肩が張るのか、どちらでしょう?”って整体の先生に尋ねたことがあったんです」
“それはニワトリと卵のどちらが先かと同じ。身体をつくれば気持ちがついていく。大切なのは身体をつくること”と言われたそう。
「更年期に大切なのは、睡眠、運動、亜鉛。あとは自分をいたわってあげること。もちろん検査も大事です」
別の病気を更年期だと決めつけたり、逆に別の病気だと思い込むのも危険だからだ。
「必ず検査は受けて、医師の診断を受けてほしい。これは声を大にして言いたいです」
松居流!更年期レシピ
【豆乳スープ】
「あおさ、干しエビなどを入れた器に温めた豆乳を注ぐ。塩と酢をかけて混ぜながら食べます。少しずつ豆乳が固まって、楽しく簡単に作れるスープですよ!」