問題視された大晦日の試合前、2020年8月に更新したYouTube『井岡一翔 Diet Academy』にて、自身のタトゥーに込めた真意を明かす彼がいた。
【復帰する時に、本当に本気でやるきっかけというか、こっから(また現役を)やるって半端じゃないなって思ったし。何か理由作りというか、これをしたら逃げられないと言う決意表明と、(タトゥーを)入れてからは家族の思いというか、入れても後悔しないだろうなという思いで入れましたね】
再び厳しい世界に飛び込む己への覚悟の証として、また家族の“ネームタトゥー”もあるように“家族のために闘う”決意として入れたのだろう。
世界王者としてタトゥーの印象変えたい
続けて、海外のプロスポーツ選手の多くがタトゥーを入れているにもかかわらず批判されないこと、そして観客は選手の見た目ではなくパフォーマンスや試合を見にきていることに言及し、【一応現役の世界チャンピオンやし。そういった意味で印象を変えていければいいな】と“世界目線”でボクシング界の変革を訴えた井岡。
自然と語気が強くなっていくと、JBCルールの矛盾にも矛先を向けた。
【実際に日本にいる海外の選手だと普通にタトゥー入れているんですよ。でも、消さなくていい。日本のジムに所属しているけど、外国人やからってそれも矛盾しているし。それやったら、“日本のジムに所属してるから全員(外国人選手もタトゥーを隠さないと)ダメ”とかでいいじゃないですか。
そこ(のルール)もおかしいんで、徐々に打ち砕いていって、もうコイツにいうても通用せえへんな、めんどくさいと思わすぐらい、もうなんか突き抜ければいいのかな】
JBCは外国人のタトゥーを黙認していることについて、「その国の文化や宗教上の問題があるので外国人にはタトゥーを消せと言えない」と各国の“文化や宗教上の問題”との見解を示している。
昨今の日本でも、アートやオシャレの文化として認知されつつある現状。井岡のタトゥー問題を受けて、ネット上では《そろそろ「刺青、タトゥーお断り」文化をなくしたら》と容認を求める声がある一方で、《多くの日本人の感覚では入れ墨は反社会的勢力の象徴》とまだまだ“負のイメージ”として捉える意見も多い。