語学留学や留学生本科は入学のハードルが高くないため、どの大学を選ぶかはそれぞれの「好み」となる。日本人に人気が高いのは、プロフィールや履歴書に書きやすい北京や上海の名門大学だ。これらの大学は日本人が非常に多く、2017年に上海の名門校である復旦大学に留学した都内の男性は、「日本人学生会だけで130人以上いた」と振り返る。
日本人社会から距離を置くため、あえて「日本人の少ない地域」を選ぶ人もいるし、中国の歴史や文化が好きな人は、少数民族の多い雲南省、『三国志』の聖地・四川省に行くこともある。尖閣諸島で日中関係がかつてなく悪化していた時期に小学生の息子を連れて留学した筆者は、日系企業が多く進出し、日本語学習者も多い「親日的」な大連を選んだ。
また、中国留学で注意事項としてよく挙がるのが、「方言」問題だ。上海は留学先として人気だが、現地の住民は中国の標準語である「普通話」とは大きく違う「上海語」を話す。標準語のど真ん中に見える北京も「訛りが強い」と言われ、中国人の間では、「(東北地方の)ハルビンが一番発音がきれい」とされている。
中国語が堪能な日本人と言えば、卓球の福原愛さん、石川佳純さんが有名だが、2人ともコーチの影響で東北訛りが入っており、「(中国の)東北弁を喋る日本人」であることが中国人の萌えポイントになっている。
バラエティータレントの知名度は高くない
さて、こじるりは中国での活動を見据えて移住するとのことだが、現時点で中国での知名度は高くない。
中国留学のニュースも、現地のSNSではほとんど話題になっておらず、中国で活動する俳優・矢野浩二さんがこじるりと中国動画サイト「ビリビリ動画 」で共演した際も、視聴者が配信中に投稿したコメントには「日本の芸能人」「お姉さん」「福原愛に似てるね」との文字が並び、こじるりを知っている人の投稿はほぼ見当たらなかった。
こじるりがまだ中国で知られていないのは、彼女がバラエティータレントだからだろう。日本のポップスやドラマは中国では大人気で、ドラマ『半沢直樹』に登場する堺雅人さんや上戸彩さん、ジャニーズタレントは非常に知名度が高いが、こじるりが活躍するバラエティーは、タレント同士の人間関係やエピソードトークに焦点が当たるため、国境を越えて見られるのは難しい。