“四大行幸啓”のひとつである『国民体育大会』が10月1日に栃木県で開幕するのに合わせ、両陛下も足を運ばれる方向で準備を進めておられます。国体の開催地は毎年、各都道府県の持ち回りで、栃木県であれば公共交通機関を利用する距離ですが、駅頭や沿道に人が集まることでの感染リスクに配慮し、車での移動が検討されているそうです」(宮内庁関係者)

 宮内庁OBで皇室ジャーナリストの山下晋司さんは、こう話す。

雅子さまの不安は常に隣り合わせ

「『お召列車』を使用される場合は、列車ダイヤの関係で1か月前には発表する必要がありますが、車の場合は比較的直前でも関係各所は何とか対応できます。実際に訪問されるかどうかは感染状況次第ですが、常に“現地に行く”前提で準備を進められていると思います」

 両陛下が東京都外の行事に直接参加されたのは'20年1月が最後だが、“移動解禁”の日は刻一刻と迫っている。

「10月に沖縄県で始まる『国民文化祭』や、11月に兵庫県で行われる『全国豊かな海づくり大会』は、国体、植樹祭と並ぶ両陛下の四大行幸啓です。令和になった'19年、皇后陛下は四大行幸啓に合わせて体調を整えられた結果、すべての行事に出席されました。訪問先で多くの国民に歓迎されたことは、皇后としての自信につながったことでしょう」(山下さん)

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 今秋に控える各行事に期待が集まる一方で、どうも雅子さまには畏縮されているご様子もあるようで……。

「実際の訪問に向けて準備されても、結局はコロナ次第でオンラインになりうるというのは、数か月前から照準を合わせる雅子さまにとっては非常に難しい環境といえます。  責任感がお強いからこそ、出席するからには、前回同様かそれ以上のパフォーマンスを発揮しなくては、というお気持ちもおありでしょう。さまざまな場所を訪れ、できるだけ多くの国民と接したいという気概と、万全の状態で臨めるかという不安は常に隣り合わせなのです」(前出・宮内庁関係者)

 とはいえ、国母としての自信を取り戻す機会もまた“リアル公務”なのだろう─。


山下晋司 皇室ジャーナリスト。23年間の宮内庁勤務の後、出版社役員を経て独立。書籍やテレビ番組の監修、執筆、講演などを行っている