有効な政策を打ち出せずに、8月中旬にはコロナ新規感染者数が4週連続で世界最多というありがたくない記録も残した日本。それでいて“検討する・注視する”と責任逃ればかりを繰り返すかのような“あいまい政府”を尻目に、各々で感染対策に勤しみ、努力義務を果たしている国民。そして政府の要請を守ったにもかかわらず、国交省から処分を言い渡されてしまった『伊豆箱根バス』

コロナ禍で苦境のバス業界に追い打ち

「かねてより地方では路線バスの廃止が増加し、さらにコロナ禍が拍車をかけて乗客や観光客は減少と、バス事業は年々危機的状況に陥っているといいます。事業者のおよそ9割以上が赤字と見る向きもあるほど」(前出・政治ジャーナリスト、以下同)

 国交相は8月26日、ようやくコロナ禍で経営難になっているバス事業者に対して、地域交通の維持を目的とした補助金支給の制度づくりに動き出した。具体策は2023年度予算編成の過程で検討される模様。

マスクを拒否した客と運転手とどんなやりとりがあったのか、もしかしたらマスクができない状況や事情があったのかもしれません。それでも、20人以上が乗っていたという乗客の安心と安全を守るがための行動だとしたら、やはり運転手とバス会社を批判することはできない、責任を負わされるのはおかしいのではないでしょうか。

 法律に則った対応は正しいのかもしれません。ならば“お願い”というあいまいなものではなく、政府として法改正を行うなど、責任の所在を明確にした“義務”として国民に示してほしいものですが……」

 マスクをめぐって全国初の行政処分を受けた『伊豆箱根バス』だが、引き続き車内での「マスク着用のお願いは継続する」としている。真面目に“お願い”を聞き入れている国民、企業ばかりが損をする世の中にならないことを願いたい。