「もっと若々しいし、普段はかつらをしていたとは知らなかったから。送検される際、別人と思わせたかったんでしょうか」(同・知人)
刑事施設での“かつら”着用は基本NG
前出の記者は言う。
「警察署の留置場や拘置所などの刑事施設では、健康上の特段の理由がない限り、まずかつら着用は認められない。危険物などを隠すツールになり得るから。単純に着用を許可されなかっただけではないか」
刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律に基づく施行規則は、かつらの着用について、
《外出し、又は外泊する場合、裁判所に出頭する場合その他の刑事施設の長がかつらの着用を許すことが適当と認める場合に限る》
と定めている。
逮捕前、高橋容疑者は事業拡大に懸命だった。ビジネスパートナーの信頼を得るため、堅実な職歴を前面に押し出していた。
例えば約2年前、インターネットのビデオ会議アプリ「Zoom」を使って「金融機関の現状」「銀行員が嫌がるお客さんべスト3」「金融機関から嫌われないようにするために大事にすることベスト3」などについてスピーチ。融資の審査に通りやすく、あるいは審査スピードを速くしてもらうためのテクニックを披歴した。
あるいは、SNSで新型コロナウイルス対策の関連融資について、
《以前、主婦の方に架空の事業計画を作成させ、金融機関から資金を調達させFXなどの投資に回させているという会社の方にお会いしたことがあります。そりゃ詐欺ですよ。そういうことをする人達がいたから、この状況になっても金融機関は審査基準を緩めることができないわけで》
と述べる一幕も。
そう喝破する時点で、既に詐欺をはたらいていたわけだからひどい。
カタカナ語を織り交ぜたビジネストークが得意で、例えばSNSではこんな呼びかけをしている。
《私たちとともに大成功をしたい方はジョイン(※合流や結集)してください。あなたが見たことのない景色を見せてみせます!》(※印は編集部、以下同)
《メンバー同士のビジネスミーティングやリファーラル(※紹介や推薦)マーケティングのスキルを上げるための学習トレーニングなど時間投資を頂ければと思います》
《リアルの場があることでどんなベネフィット(※利益や効果)があるのか?改めて言語化をしてみました》
シェアオフィスについても、ほぼ同義の「コワーキングスペース」という呼び方を徹底。ビジネスパートナーを口説く決めゼリフは《高橋と15分Zoomの時間を》だった。