友達づくりを阻む女性ならではの困難
いまや孤独や孤立は社会問題となっている。担当大臣が任命され、相談支援も行われている。ただ、どれほど孤独や孤立に苦しんでいたとしても、「友達がいない」だけでは支援を受けられない現実がある。
孤立や生きづらさの問題に詳しいジャーナリスト・渋井哲也さんが指摘する。
「男性は感情を言葉で伝えることが下手で、女性に比べてSOSを出しにくいといわれています。そのため孤独や孤立の問題というと、男性にばかり注目が集まりやすい。
一方、女性の場合、コミュニケーションはむしろ過剰で“他人からどう見られるか”というプレッシャーにさらされています。そのため友達をつくるハードルは低いかもしれませんが、ひきこもりや介護など何かのきっかけでコミュニティーからドロップアウトすると、友達づくりが途端に難しくなってしまうのです」
“自分だけ子どもがいない”という状況も友達づくりの障壁になる、と渋井さん。
「(女性は子育てすべきという)日本の伝統的な家族観からはずれているので、それ自体がプレッシャーになりますし、時には集団から排除されるおそれもあるでしょう」
「友達いない問題」はどうやって解決すればいいのか。
「孤独や孤立は必ずしも悪いことではありません。そのうえで友達がいないという人の話を聞き、例えば介護の問題を抱えているなら、そのサポートにつなげる。まずは当事者が思いや意見を話せる場所をつくるべきだと思います」