「パパ活狩り」の予兆
「パパ活狩り」事件の予兆はすでにあった。同様の事件が、近年起こり始めていたのである。
例えば2021年1月、22歳の男と少年2人が、出会い系アプリで女性を装って男性を誘い出し、大阪市の路上で男性に暴行を加え、現金約2万円などが入ったカバンを奪って逮捕された。
この22歳の男は、東京・渋谷区でも30代男性を美人局行為で脅迫し、1万円とキャッシュカードを奪った余罪があるという。被疑者らは大阪で有名な半グレ集団のメンバーである。
2022年5月には、静岡県内で35歳の高校教師の男が「児童買春・児童ポルノ禁止法」違反の容疑で逮捕された。逮捕のきっかけは美人局被害だ。
高校教諭の男がSNSで知り合った女子高生と会うために待ち合わせ場所に行くと、女子高生と少年ら4人に脅迫され、現金8万5,000円を騙し取られた。それを警察に通報した結果、本人も逮捕されたという訳である。
この種の犯罪は、今後ますます広がるだろう。すでに水面下ではかなり広がっているのかもしれない。
「パパ活狩り」の背景
多くのパパ活は、ある意味、社会的な経験値が乏しい若い女性の性を、大人の男が金銭で搾取する卑劣な行為である。
プロや半プロの女性の場合は、単純なトレード(商行為)として考えられる。しかし、ブームに乗せられて、あるいは学費や生活費に困ってやってくる、世間知らずのパパ活女子(PJという)に対する場合は、「搾取」という言葉がぴったりとはまるように思う。
今回の事件は、そんな搾取を享受してきたパパ活男たちに対する一種の「懲罰」のように思えるのである。もちろん、今回の件は単純な犯罪行為であり、圧倒的に被疑者らが悪いことは、誤解のないように申し添えておく。