彼らの親子関係は、専門家からどのように見えているのか。19年間にわたり児童相談所へ勤務していた、家族問題カウンセラーの山脇由貴子さんに話を聞いた。
「親が子どもを学校に通わせない、金もうけの道具にするというのは、いずれも児童虐待に該当します。7日間以上欠席した子どもについては教育委員会への報告も義務付けられています。その場合は児童虐待として児童相談所に連絡が行き、児童相談所が子どもの安否確認、意思確認を行います」
――“本当は学校に行きたい”子どもが出す、SOSや兆候などはありますか?
「(目撃情報の)同年代の子どもをうらやましそうに見ているということ以外は、親とずっと一緒だと発見は難しいと思います。子どもの意思が分からず、無理に連れまわされている危険はあると言えるでしょう。親に支配されている兆候としては、親のことを怖がる、顔色をうかがう、親の様子を気にしているなどがあげられます」(山脇さん)
車中泊は児童虐待に該当する
――日本一周の期間中は連日のように車中泊をしたり、深夜の温浴施設で目撃情報などもあります。このような生活は、子どもの成長にどんな影響がありますか?
「不安定な生活環境、不規則な生活は成長に影響を与える場合があり、身体の発育が遅れる、栄養バランスの崩れによって病気になりやすいなどは考えられます。車中泊は児童虐待に該当すると言えますので、児童相談所が保護する対象となります。また直接的な同年代との関わりがないこと、父以外との人間関係がないということは、将来的に人と関わる力が育たず、対人関係で支障を来たすことと言えます」(山脇さん)
――YouTubeを始めてからネット上で多くのバッシングを受けていますが、愛情以上にバッシングを多く受けて育つと、どのような影響が考えられますか?
「自己評価が下がり、自己否定感を抱くようになり、重症化すると希死念慮(自殺願望)を抱いたり、自分を傷つけたりすることも考えられます。また、対人不安、対人恐怖も起こり得ます。父が暴言や誹謗中傷から守ってくれなかったという思いは、深刻なダメージを心に与えるので、その影響でさらに自己否定感は高まります。また暴言を吐くことへの抵抗感がなくなり、直接的コミュニケーションでも人に平気で暴言を吐くようになり、人から嫌われ、孤立化する可能性もあります。十分、児童相談所が介入するべき家庭だと思います」(山脇さん)