縁日玩具でヒーローに?昭和レトロ満足セット
紙風船にめんこ、ビー玉、コマ、型抜き……「あったあった!」と思わず声がはずむ小さいころに駄菓子店や縁日で見かけたレトロ玩具が約30種入った『昭和レトロ玩具 満足セット』を販売し、注目を集めているのがキッシーズ株式会社。昭和21年創業の縁日玩具の卸問屋「岸ゴム商店」が前身だ。
「こういう縁日玩具を扱うのはほとんどが個人や家族経営のような中小零細企業。高齢化や後継者問題で、作る人も売る人も少なくなっていく中、弊社は60人くらいで組織だってやっている唯一の会社です。後世にいろんなことを引き継がねばと、この満足セットを企画しました」(キッシーズ 細江友人さん)
これらのおもちゃは、製造のための道具が壊れて生産終了するなど、常に絶滅が危惧されている状況。数少ない国内生産品を取り扱うメーカーを中心に声をかけ集めたという。
「アナログ」なおもちゃたちは、昭和の時代に子どもだった現代の40〜60代はもちろん、特にZ世代の若者にも新鮮に受け入れられ、想定の倍以上の売れ行きを見せている。
「夏休みなどの長期休暇でお孫さんが来るタイミングに一緒に遊ぶことで『おじいちゃんがヒーローになれる』セットだといわれていますね。Z世代の若い人たちには『Tik Tokで使ってみたい』などと好評です。世代間をつなぐコミュニケーションツールとしてとても有能なのでは」(細江さん)
そうして親から子へ、そしてその子へ……と継がれていくおもちゃの世界。「懐かしい!」と「逆に新しい!」と誰しもはしゃいでしまう、昭和レトロ玩具の魅力は尽きない。