「アウトパックの惣菜」の場合、つくってから運び込んで店頭に並べるまでのタイムラグがあるため、腐敗したり劣化したりしたら大変です。そこで保存性を良くするための添加物が使われます。
惣菜でよく使われる保存料に「白子たんぱく(抽出物)」があります。これは文字通り白子(魚の精巣)に含まれる成分ですが、抗菌力があるため、保存料として使われるのです。
とはいえ、最近は「保存料」は敬遠される傾向にあります。私の書いた『食品の裏側』の影響もあるのかもしれませんが、「保存料が使われているものは避けたい」というお客さんが多いのです。
ではどうするかというと、「保存料」は使わないけれど、その代わりに「保存効果のある添加物」を使ったりするのです。
【盲点1】「保存料無添加」と謳いつつ「保存効果のある添加物」は使うケースあり
それが「グリシン」「酢酸ナトリウム」「pH調整剤」「香辛料抽出物」といった日持ちを良くするための添加物です。これらはもう、どの惣菜にも必ずと言っていいほど使われています。
イメージをよくしたい店やメーカーのなかには、「保存料」の代わりにこうした「保存効果のある添加物」を複数使って、ラベルに「保存料不使用」と表示しているケースも少なくありません。
「保存効果のある添加物」は複数使っていても、「保存料」そのものを使っていなければ「保存料不使用」と謳うことができるからです。
もちろん本当に使っていない店や食品もありますが、それが一部の「保存料不使用」の裏側だったりします。
一部の添加物には「使用基準」(上限)がない
もうひとつ、これら「グリシン」「酢酸ナトリウム」「pH調整剤」「香辛料抽出物」などの添加物には「使用基準」(上限)がないのが特徴です。どれだけ入れても自由なのです。
店、業者によっては、日持ちをよくするため、「味が変わらない程度に、できるだけ多く、ギリギリまで入れる」というところもあるのが実態です。