別の児童の保護者はこう打ち明ける。

「ものすごーくいい先生。児童にいつも寄り添っていて“子どもたちをハグしてあげたいけど、コロナでそれができないのが辛い”と話していたって。そんなことで悩む20代なんてそうそういないですよ」

 先生の逮捕を知った多くの児童は泣いたという。

「先生は悪くない」「先生は悪くない」

 また事件翌日から6年生は日光へ修学旅行に行く予定だったが延期に。それでも児童は恨みごとを言わず、「先生は悪くない」「先生は悪くない」と必死にかばうのだという。

 担任を続けさせてやるわけにはいかなかったのだろうか。

 市教委関係者は、こう話す。

「教員の希望をすべて受け入れていたら学校運営は成り立ちません。学年が変わるごとに担任が交代するのが一般的で、むしろ2年続けて同学年を担任できたのが稀なんです。いいクラスを受け持って担任を続けたくなる気持ちはわかりますが、それでは教師として成長できない。またイチから子どもや保護者との関係を築いていくことで力をつけられるんです」

 教師の道を歩き始めたのだから、問題児を受け持つかもしれないし、教育方針を理解してくれない保護者とぶつかるかもしれない。世の中、思い通りにいかないことなど多々ある。それに直面したときの言動をみるかぎり、子どもたちのほうがよっぽど大人びていた。