目的を持って生きると「自分は自分、人は人」と思える

 私は嫉妬が必ずしも悪いものだとは思いません。恋愛で言えば嫉妬はスパイスになりますし、勉強や仕事では「負けるもんか」という起爆剤になって、思いもよらないがんばる力につながることもあるでしょう。けれど、今回の件のように、人に迷惑をかけたり、自分が消耗してしまって何も手につかないというヤバい域まで行ってしまったのなら、嫉妬との付き合い方を一度考える必要があると思います。

 基本は人を下に見ないこと。人を下に見ると、その人に何かいいことがあったときに、ダメージがより大きくなり、激しい嫉妬に悩まされるようになります。同じ場所にいる人は、こちらに危害を加えてこない限り、仲間もしくは自分にチャンスを与えてくれる人だと考えてみたらどうでしょうか。

 また、人を下に見ないためには、ある程度の目的を持って生きることも必要になるでしょう。仕事に自分の人生を賭けるのか、それともほどほどでいいのか、結婚や出産はしたいのかなど、目的があると「自分は自分、人は人」というスタンスが定まってくるはずです。私の経験で言うと、人生に対して受け身な人ほど文句も多いし、嫉妬深いと思います。

「出る杭は打たれる」ということわざは日本独特の考えであり、日本人の嫉妬深さを表しているとも言われますが、嫉妬は人を勝手に下に見ることから生まれるわけですから、嫉妬は「嫉妬する側」の内面の問題であり、嫉妬される側に非はないのです。自分をヤバくするのは、自分です。他人を嫉妬し過ぎず、嫉妬されることを恐れず、どうぞ人生を楽しんでいただきたいと思います。


<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」