メガネは使い捨てのファッション雑貨ではない

「ひとつ明るい材料をあげるとすれば、今年から“眼鏡作製技能士”という国家資格が登場することでしょうか。これは、メガネ店の技術者が眼科医と連携しながら、多くの人により良いメガネを提供し、目の健康を守れるよう眼鏡作製の技能を高めていくことを目的とした資格です」

メガネの提供側にも国家資格が登場(※画像はイメージです)
メガネの提供側にも国家資格が登場(※画像はイメージです)
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 試験はメガネ店での「視力の測定」「レンズ加工」「フレームのフィッティング」などに関する学科と実技を実施。両方の試験に合格すると「眼鏡作製技能士」1級/2級の称号が与えられる。業界全体のレベルが底上げされることが期待されており、資格を持った人がいる店を探すのもひとつの手。

「ただ、メガネの使用感って、個人差がすごく大きいのです。眼鏡作製技能士1級の人や、高級店のベテランに任せたからといって、100%満足のいくものができるとは限らない。そこが難しいところなんです」

 店によっては、メガネを作って一定期間内ならレンズを交換できる保証制度もあるので、そうした保証を利用してみるのもあり。ちなみに伊藤さんの店(オプテリアグラシアス)では、自分の度数に合っているかなど、30日間メガネのかけ心地を試せるテストレンタル『メガテス』を実施している。

「メガネは使い捨てのファッション雑貨などではなく、生活の質を左右する医療器具だと考えて、慎重に選んでくださいね」

教えてくれたのは
 眼鏡評論家の伊藤次郎さん。東京・吉祥寺でメガネショップ『オプテリアグラシアス』を経営。メガネ業界の改革を目指し、セミナーやSNSなどで発信を続けている。

取材・文/吉田きんぎょ