子宮頸がんは、子宮の入り口(頸部)にできるがんで、子宮にできるがんの7割程度を占める。国内の患者数、死亡率も増加傾向にあり、女性にとっては非常に怖いがんのひとつだが、早期に治療すれば治癒率も高く、子宮への影響も少ないと言われている。鈴木さんの場合も、かなり初期のものだったようだ。
「でも、そのときの経験があるから、女性として子宮をケアすることの大切さは身に染みていました。あと、何よりよかったのは、それ以来、何かトラブルや心配ごとがあったら、なんでも主治医の先生に相談するようになっていたこと。術後の経過観察も兼ねて、婦人科の検診を半年に1回は受けるようにしていたんです」
信頼できる主治医が「私の相棒」
子宮筋腫が見つけられたのも、もちろん、そのおかげだと語る。今回の手術についても、何をどう取り除き、何を残すか、そしてそれが、今後、鈴木さんの身体にどんな影響を及ぼすか、丁寧に説明をしてくれた主治医に、鈴木さんは全幅の信頼を寄せている。
「私はなんとなく、筋腫だけを取って、子宮はまるまる残せないかと考えていたんです。でも、子宮を残しておくと、今度は子宮体がんのリスクが高まること、逆に全摘してしまうとホルモン治療の必要が出て、やっぱり身体への負担が出ることなどを先生から教わりました。
それに、私の場合、まだ女性ホルモンが出ている状態だったそうで……。卵管から女性ホルモンが出ているうちは、女性としての魅力につながる肌や髪のツヤ、性欲なんかにも影響が出てくるから、残しておいたほうがいいそうなんですね。だったら、ということで、子宮の上部だけを切除することを選びました。女優という仕事を続けている以上は、ツヤっぽくいたいので!
ちなみに、性交渉については術後3か月以降ならおおむね問題ないそうです。今は別にパートナーがいるわけではないんですけど、一応、聞いておこうと思って(笑)。例えば、そういう聞きづらいことでも、主治医の先生には、恥ずかしがらずに聞けば必ず教えてもらえるから、本当にありがたいです」
10年以上、特に心と身体の変化が大きい40〜50歳を伴走してくれた主治医は、まさに鈴木さんにとって欠かせない“相棒”なのだろう。
手術から4か月、経過を聞くと「生まれ変わったみたいに元気です」とにっこり。
「実は去年あたりから、更年期の症状もいろいろと出ていて、かなりつらかったんですよ。でも、今は筋腫と一緒に、長年溜め込んできた悩みやイライラまで、一気に断捨離したような気分。すごく調子がいいです。あと、痩せました(笑)。毎日、とても前向きに仕事に臨めています」
今年は、鈴木さんにとって女優生活30年という節目の年、そして9月20日には50歳になったばかり。これからも主治医たちとタッグを組んで、その美と健康を維持しながら、ますます俳優として輝いてほしい。
鈴木さんは12日、『相棒 season21』放送初回から登場。長い間悩まされていた病を克服して生まれ変わった亀山美和子の活躍に期待したい。
※本記事の手術の方法はあくまで鈴木さんのケースです。