騙されて気づかない内に自分が加害者に…!?
だが、さらに怖いのは自分が加害者になる場合だという。
貧困に悩む20代の女性の元に『お金をあげます』というメッセージが届いた。そんなうまい話はあるわけないと思いつつも、困窮していた女性は返信してしまう。
「お金を都合できるが、条件がある。銀行でキャッシュカードを3枚作って、送ってくれ」と返信があった。女性は鵜呑みにし、3枚カードを作り、レターパックで送った。そのカードにそれぞれ40万円振り込む、と言われたからだ。
だが一向に振り込まれない。その後、警察から事情を聴かれることになった。
「他人にキャッシュカードを譲渡することは犯罪行為。それを知らずにほとんど入金していない口座のカードだからいいかと安易に送ってしまう人は後を絶ちません。送ったキャッシュカードが振り込め詐欺の口座として利用された場合、加害者として警察の捜査を受けることになります」
騙される背景にはコロナ禍や不況により金銭的に余裕がない人が増えていることもあると指摘する。
「投資で騙された人は、老後に必要といわれている2000万円を用意するために騙されてしまった。その一方で、これからは自分がお金を騙し取られるだけではなく、加害者にならないようにも気をつけなければいけません」
お金に困っていて、結果詐欺に遭い、それを取り戻すため、誰かを騙す。
「高齢者は貯金を取られ、若い世代は借金をさせられるケースが多い。おかしいな、と思ったら必ず2人以上に相談してください。第三者への相談で詐欺に気づくことが多いんです」
詐欺で取られたお金は戻ってこない。
「詐欺被害者を責めないでほしい。悪いのは詐欺を働いた人間です」
詐欺の怖いところは金を奪われるだけでなく、家庭を崩壊させられ、幸せな未来まで奪っていくのだ─。