現地映像で見えてきたロシア軍の窮状
もちろん、漫画ばかりではなく、生々しい現地の様子もツイートしている。Gangsta氏の所属する部隊はフランス人、オランダ人、フィンランド人、など多国籍で日本人は現在2名ということ。
そして、マシンガンや負傷兵のための医療キットなどの情報がほとんどの中、時折猫やヤギなどの動物との和やかなやりとりに癒される。
ロシアの支配地区のほとんどが、ほんの数か月前までは平和な田園地帯だったことに気がつかされる。
現にウクライナ内務大臣顧問アントン・ゲラシチェンコ氏が拡散したツイートには、ヘルソン州ではロシア兵が豚小屋を略奪し、ベッドや洗濯機などを持ち込み生活していた映像が添付されていた。
Gangsta氏もクビャンスク東部でも牛舎にロシア軍が住んでいて、砲撃で吹っ飛ばされていたとリツイートした。
一方、ゲラシェンコ氏の別のツイートでは、ウクライナ軍兵士が補給されたたっぷり用意された寿司やボルシチを食べている動画が紹介されている。
20万人集まったといわれる部分動員令で招集されたロシア兵も、十分な武器や訓練や食事を与えられず、数日間、外での寝泊まりを強要されて、肺炎になり熱が出た兵士もいたという。
この様子からも、ウクライナ軍には十分に物資が供給されているが、ロシア軍には補給が不十分で窮乏している様子が窺える。Gangsta氏も、ロシア軍捕虜が寒そうにしていたので、上着をあげたとツイートしている。
ところでこの原稿を書いている10月上旬、Gangsta氏の状況に転機があったようだ。ツイートのほとんどは消去され、一部で「今日本に居ますよ」というリプライを返し、帰国を匂わせている。しかし、引き続き戦うことを示唆するつぶやきもあり、今後についてははっきりとしていない。
我々としてはこの戦争自体の一時も早い終結を祈るのみだ。