コロナ禍で撮影が減り、存続の危機に陥っている東映京都撮影所
コロナ禍で撮影が減り、存続の危機に陥っている東映京都撮影所
【写真】朝ドラヒロインを務めた20歳の沢口、吉永小百合との美しすぎるツーショットも

 昨年に創業70周年を迎えた東映京都撮影所。その名のとおり東映が制作する映画のほか、東映が18・08%の株式を保有するテレビ朝日の作品も多く撮影されている。

「同じくテレビ朝日も東映の株式を19・68%保有するなど、両社は資本関係にあります。テレビ朝日の社外取締役も務めていた東映の岡田裕介会長が一昨年亡くなったこともあり、両社の関係性が見直されるのでは?という噂も流れました。でも岡田会長が亡くなった後に、テレビ朝日は東映の株式を追加取得していますから、逆に関係性は強まっていますよ」(広告代理店関係者)

 京都撮影所での撮影をすべてやめてしまっては撮影所の存続が危うくなるため、テレ朝にとってもマイナスが大きいという。

京都撮影所のスタッフに仕事をつくるためにも、幅広い世代に人気のある『科捜研』だけはしばらく続けることになったようです。来年1月にネットフリックスで配信予定の森七菜さん主演『舞妓さんちのまかないさん』の撮影が京都撮影所で行われるなど、最近は配信メディアにもスタジオを貸し出しています。それだけ台所事情も苦しいのでしょう」(東映関係者)

上川隆也の『遺留捜査』は終了したのに

 そうはいっても、立ちはだかる“京都の壁”は高く……。

「京都で撮影を行うために必要な高額な経費問題が、テレ朝社内では根強く残っています。同じ京都で撮影していた上川隆也さん主演の『遺留捜査』シリーズは終了させているわけですから、上川さんら『遺留捜査』チームに示しがつかないという反発もあり、社内でもシリーズ続投については意見が分かれる結果になっています」(前出・テレビ朝日関係者)

 昨年9月に公開された『科捜研の女』劇場版の興行収入は、5億4000万円とクリーンヒット。放送外収入でもテレビ朝日に貢献している。

「再放送でも根強い人気がありますからね。今はスポンサーが重視する13歳〜49歳を対象とした“コア視聴率”や個人視聴率を意識した番組作りが求められていますが、リニューアルした初回放送の個人視聴率は6・6%。コア視聴率も低くはありません。固定ファンが多い作品ですから、多少経費がかかっているとしても終わらせるのはデメリットのほうが大きいと思います」(前出・広告代理店関係者)