“有名人”の影響もある。
「ファッションアイコンとして非常に影響力の強いアメリカの人気ラッパー『トラヴィス・スコット』が、ジャパニメーションの代表格である『AKIRA』のTシャツを着用したことなどで、“アニメTシャツ=ファッションアイテム”という認知がされるようになったと思います」
J-POPのTシャツはまだシャレ
海外での人気が高い『AKIRA』のTシャツは以前から高値をつけていたが、最近はさらに高騰し、希少なものだと数十万円の価格がついているという。同じく、ジャパニメーションの代表格である『攻殻機動隊』も、現行品ではないヴィンテージのものは数万〜数十万円の価格に。
また、『ジブリ』作品も作品同様に人気が高く、そして高値をつけている。編集部がフリマアプリを調べたところ、『千と千尋の神隠し』Tシャツは4万9999円、そしてなんと『もののけ姫』Tシャツは20万円を超える商品が複数あり、売れていた。『千と千尋』Tシャツは人気ラッパー『リル・ウージー・ヴァート』が着用したものだ。
アニメ以上に“意外”なものが高騰する場合も。あなたは日本の歌手、すなわちJ-POPアーティストのTシャツを“カッコいい”と思うだろうか。そしてそれを“ファッション”と考えるだろうか?
【globe Tシャツ 非売品 デッドストック 小室哲哉】。
この商品名でフリマアプリに出品されたものがある。文字どおりglobeのTシャツである。同商品は1万8500円で落札された。【当時物 GLAY バンドTシャツ】という商品は5万8280円の値がつけられている。アニメ同様に“J-POPのTシャツ”が高騰する場合も。
「そのファッションにもファンが多い『ブルーハーツ』や、メンバーの死去により伝説的な存在となっている『ZARD』など、入手が難しいミュージシャンのTシャツは、オークションなどで高い価格で落札されています。ただ、アニメTシャツに比べるとJ-POPのTシャツの人気はまだかなり局地的。極端なプレミア化はまだ見られておらず、基本的にはネタ・シャレという意味合いが強いでしょう」
同じ“アーティスト”でも海外アーティストは以前より高値がつけられてきた。
「海外のバンドが中心のロックTシャツはファストファッションブランドなどでも商品化されるなど、すでにファッションアイテムとして認知されています。特に、『ニルヴァーナ』などの人気バンドのヴィンテージTシャツは、暴騰といってもいいくらい価格が跳ね上がっています。J-POPのTシャツは、そんなロックTシャツに対してのカウンター、あるいはネタ・シャレ的な意味合いで、一部のファッション好きに評価されているように思います」