老化物質の産生を抑え身体の老化を遅らせる
食前のレモン果汁の摂取による健康効果はほかにもある。
「身体の老化原因のひとつに、AGE(終末糖化産物)の蓄積があります。AGEは糖とタンパク質に熱が加わると生成される物質で、食べ物から体内に入る体外ルートと体内で作られる体内ルートの2種類があります」
例えば、タンパク質を多く含む肉などの食品を高温調理すると食品内にAGEが発生する。これを摂取することで体内に蓄積するケースが体外ルートで、血糖値の上昇によって体内の組織で糖化が進んでAGEが蓄積するのが体内ルートだ。
「私たちの研究では、食事にレモン果汁をとり入れることで体内でのAGEの産生が抑制されることがわかってきました。この効果はクエン酸によるものであることが判明しています」
ということは、クエン酸のサプリメントでも同じ効果を得られるのだろうか。
「私たちは、クエン酸はもちろん、レモンに含まれているフラボノイドやポリフェノールなどもAGEの産生抑制に作用しているのではないかと推察しています。つまり、レモン果汁を摂取することでしか得られない作用もあるということです」
体内ルートのAGE対策としては、次のようなとり方も推奨したいそう。
「肉を加熱する前にレモン果汁に浸すと食品中のAGEの産生量が少なくなることがわかりました。焼き肉のタン塩は焼いた後にレモンをかけて食べる人が多いと思いますが、焼く前にレモンをかけるのがおすすめです。レモン水やレモンサワーを飲みながら食べれば、さらに多くのレモン果汁を摂取できます」